自転車操業一筋42年

世の中の「意識高い系」トライアスリートについていけない泳ぎがヘタで意志が弱いサラリーマン、永遠の42歳後厄、が初フルマラソン完走後3年でアイアンマン70.3のフィニッシャーに。フルマラソンサブ4達成後の次の目標はOD3時間切りです。

湘南オーシャンスイム 2.5kに参加してきたでござるの巻

最近仕事中にたまたま顔に触れたら眉毛に尋常ではない太さと長さの剛毛が2本混じっていることに気づき、40代も半ばとなりこれは明らかな老化現象に違いなくこのまま放置するとかつての村山首相のような眉毛になってしまうかも、早めに始末しなければ、と強迫感に駆られ、指で抜こうとしたらなかなか上手く行かず、ついイラっとしてデスクのハサミを取り出して特別長い2本だけ切ったつもりが誤って周りの眉毛もザックリ切り落としてしまい、鏡を見てこれはまずい、オレは亀田興毅か人相悪すぎる、と焦って前髪で隠したりしておりましたが、結局1週間経っても同僚はおろか嫁、子供も含め誰にも気づかれず、これは不幸中の幸いなのか、むしろ逆にとても不幸なのか全く分からなくなってしまった今日この頃ですが、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
f:id:KodomoGinko:20160831231617j:image
楽しみにしていた湘南オープンウォータースイムに行ってきた。大型で強い台風10号が日本の沖合にいて、火曜日の早朝にも関東地方に上陸か、というニュースが出る中で逗子海岸にて日曜日に2.5kのレースが開催された。

大会4日前にまたお約束(?)で腰を痛めてしまい、針治療の後プールで軽く泳いでリハビリし復活。高波にあおられても前に進むだけの泳力と根性があるかといわれると自信がなく、波がきついようだとDNSにしようかと思ったのだが、当日朝の海は笑ってしまうぐらいのべた凪。どんだけ穏やかなのだ逗子海岸は。


ただ少し風があって肌寒い。気温26度、水温24度。ウエットスーツ着るわれわれにはむしろピーカン照りよりありがたい。いつもは家で摂る朝食を湘南新宿ラインの中で食べたので、ウエットスーツ着たまま便意を催し、海辺の公衆トイレに慌てて駆け込むが長蛇の列、という古典的な展開だったが、そこはおなか液状化現象歴が永いだけあって手慣れたもの、身障者用のお手洗いが空いているのを目ざとく見つけてショートカットできたので、大惨事を免れた。

私は40歳以上男子の第4ウェーブ。400人近くが出るという。北風が吹く中、試泳をして上がってきたウエットスーツなしの体脂肪の薄い人たちは歯を鳴らしてガタガタ震えている。こちらはミートテックならぬ肉襦袢を着た上にウエットスーツだから全く問題ない。
ロングスリーブのウエットスーツなので手の甲にナンバリングしてもらい、計時センサーを脚に巻いて準備万端。水に入るとそれほど冷たくなくてむしろ気持ちがいいぐらいだった。最近泳いだ海というと徳之島とヴェトナムのプールのような透明度の海だったので、自分の伸ばした手の先が見えないぐらいの湘南の海はちょっと泳ぎにくい。

オープンウォータースイムはメンタルで大きな差がつく。透明度が低い海だとどれだけ自分が前進しているのかの感覚が分からず、私はついスピードが遅くなってしまう。視界が開けて目標物があると、そこに向かって自分が進んでいっているのが分かってモチベーションが上がり、結果的にタイムがよくなる。そういう意味で前回の徳之島のレースはありがたく、2㎞で44分、という私としては悪くないタイムで泳げた。

本来なら今回の2.5kのレースは1時間ぐらいで泳げなければいけないはずだったが、腰を痛めた直後に無理したら沖に出て波が強かった時に対処できるだろうか、などといろんな雑念が浮かんできてしまい、結果体力を温存しすぎてレースを終えて陸に上がったときに全然疲れていない、という残念な展開だった。楽しみにしていたのに、ベストのコンディションで望めないというのはやはり悔しい。

トライアスリートだけではなく、ガチなスイマーの人たちもたくさんいるのでいつものレースよりもペースが速いのでは、と思い慎重に後方からバトルに巻き込まれないようにスタート。1k地点で30分のタイムリミットがあるのを少し意識しながら泳ぐ。まあ大丈夫だろう、と頭の片隅で考えながら。キャッチしてプルしている間に反対側の手が沈まないことを意識しながらキャッチアップ気味に泳ぐこと、腕の内転、すなわち小指側ではなく親指側から入水して手のひらで水を切らないこと、の2点を意識しながら進む。

コースは逆Uの字で、1200m沖に向かって南に泳ぎ、直角に右に曲がって西に100m泳ぎ、また右に曲がって岸に向かって北に1200m泳ぐ、という単純なもの。300mおきにブイが浮かんでいるのが目印。コースロープなし。

透明度のない海でさらにコースロープがないと、自分が本来向かうべき方向に進んでいるのか確認することが難しくなる。集団の中で泳いでいれば周りについていけばいいが、ペースが遅いと集団から取り残されて単独行になり、泳ぐ方向がずれて遠回りしてしまったりする。たまにクロールではなく平泳ぎでめっちゃ速く泳いでいる人がいると、私はその人について行ったりする。平泳ぎの人はずっとヘッドアップしていて方向間違えないので。本当はちゃんと自分で顔を上げて前を確認しながら泳ぐのがいいのだろうが、私の場合はそれをすると結構スピードを失ってしまう。やらないと遠回りしてタイムロスするし、なかなか難しいところだ。

900mほど泳ぐと、茶色と緑の混じったような海の色がすっと澄みはじめ、キスやアジが群れをなして泳いでいるのが見える。海の底が白い。水深は5mぐらいだろうか。ヒラメいないかな、とか観察しながら泳いでいた。レース後にそんな話をしたら、1時間を切っていた人たちはみんな「そんな余裕はなかったよ」と言う。余裕こいていてすみませんでした。

折り返して岸に向かい始めると、北風がもろに吹き付けてくる形になってうねりが襲ってきた。前に進まなくて焦る。そのときまだ透明度があったので自分が進んでいることが分かってよかったが、泳いでも泳いでも自分が前に進まず流されて行っている感覚になったらパニックになり、一生懸命手を掻いてしまい結果過呼吸になるかもしれない、とふと思った。本当に自然が相手だと難しい。
同じ日に行われた珠洲トライアスロンでスイムの残り数百メートルのところで心臓に持病のある57歳の方が亡くなられたとのこと。うねりもあったということなので、もしかしたらそういうことだったのかもしれない。

ちなみに過呼吸は、息を大きく吐くことによって治る。息を大きく吐き、体の動きを止めれば心拍も下がり、一度心拍が下がれば再び過呼吸になる可能性は大きく下がる。空を見上げて大の字のままでしばらく休めば復活するので、頭の片隅にぜひ入れておいてほしい。特に最初の数百メートルは、テンション上がっていてなおかつバトルがあるので危険ゾーン。トライアスロンは楽しいが、死んでまでやるほどのものではない。

残り500mぐらいになったところで、ようやく自分の体力がまだまだ有り余っていることに気が付いてレーシングスピードで泳ぎだす。結局タイムは1時間14分。このレースは時計の着用が禁止されているのでペースが分からなかった、というのももう一つの言い訳。

正直タイムは冴えなかったが、一つの収穫は2.5kという未知の距離のレースを泳いで体力的には全く問題なかったということ。フルアイアンマンの3.8kも意外と問題なくいけるのでは、という気が少ししてきた。2012年にスイムレッスンを始めた時は50m泳ぐのがやっとだったことを考えると、ノロノロとした歩みではあるものの確実に進歩していてうれしい。

レースの終わった海は、こんなに穏やかだった。

f:id:KodomoGinko:20160831230543j:image

次のレースは今年最後のトライアスロン、9月末の村上。オリンピックディスタンス。万全の体調で当日を迎えたいと思う。

 

 

jitenshasogyo.hatenablog.com