自転車操業一筋42年

世の中の「意識高い系」トライアスリートについていけない泳ぎがヘタで意志が弱いサラリーマン、永遠の42歳後厄、が初フルマラソン完走後3年でアイアンマン70.3のフィニッシャーに。フルマラソンサブ4達成後の次の目標はOD3時間切りです。

エプソンGPSランニングギア SF-850を半年使い続けた私がレビューをガチで書いてみる

ふるさと納税でSF-850をいただいてから半年が経った。人柱としてレビューをガチで書く。ちなみにこの半年、充電しているとき以外は基本的に24時間フル着用、そしてSF-850をつけて400㎞運動した。ランが325㎞、バイクが75㎞。うちフルマラソンレース出場1回、オリンピックディスタンスのトライアスロン出場1回。

計測の正確性

GPS計測★☆

トレーニング時のGPS計測だが、計測そのものは相当正確。iPhoneでRunKeeper使って計測するのと比較にならないぐらい。RunKeeperだとGPSだけでモーションセンサーが補助していないように思われ、電波を捕捉できない際にはワープしてしまったりするのだが、SF-850はGPSの電波がないところ、例えばトンネルや高架下などを走っても、データをダウンロードして確認すると然るべきところを走っている。フルマラソン走って計測上は42.33㎞。ほとんど誤差はない。
ただし最初のGPS電波の捕捉に非常に時間がかかることがあるのは残念。iPhoneの現在地情報をSF-850にアップロードする機能もあるのだが、それを使っても時間かかるときは時間かかる。時間がないときにサクッとトレーニングしよう、という人などには不便だろう。1.5㎞ぐらい走ってようやく電波を捕まえる、というようなことが10回に1回ぐらい起きる。高度についてはGPS測定で誤差が出るのは仕方ないが、出発地点に戻ってくるトレランでもアップとダウンの誤差は十数メートル程度だった。

 

心拍数計測

手首の尺骨の突起の下にきつめに巻かないとうまく作動しない。フルマラソン走っていて、腕の振りで指先側にずれてきてしまうと心拍が計測できなくなった。下のチャート(つくばマラソン)の空白の部分はそのせい。運動しているときにきつめに締め付けるのはやはりちょっと、という人は多いかも知れない。

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こう見ると結構がっつり痕がついてしまっている。
仕事中キーボード入力をしているときなどにきつめに巻いているからか、つい外したくなってしまうのだが、腕から外して机の上に放置するとなぜか心拍が120程度で記録される。こころバランス、という自分がどれだけ緊張しているか測る機能もあるのだが、机の上に放置すると1日2時間ぐらいストレス感じていることになったりするのは改良の余地ありなのではなかろうか。
上記2点以外は心拍数計測はかなり高精度だと思う。自分の平静時の脈拍は何となく知っているけれど、ノンレム睡眠時に記録する最低の脈拍と最大運動量時のMaxの心拍数が分かるのは便利。
それと仕事の時、例えばプレゼン前、に緊張して心拍が早くなっているな、と視覚的に確認できるので、深呼吸して脈拍下げてパフォーマンスを改善しよう、というようなセルフコントロールができるのでビジネスマンにはこういう使い方もオススメ。

歩数計★☆☆

まあ参考程度か。トレーニングするときにはGPSを起動させるモードだが、そうではない日常時の歩数もカウントされている。両者に若干ずれがあるのが気になるが、この商品を万歩計代わりに使おうというアスリートもあまりいないかもしれないので大きな問題にはならないはず。

睡眠★★★

睡眠の質、熟睡している時間とそうでない時間を計測する機能だが、これはまあまあ正確なのであろう。熟睡しているときに確認するわけにも当然いかないし、自分が熟睡できていないことを時計を見て確認できるようにもなっていないので、事後的にPCあるいはスマホにデータをダウンロードした際に「あの時目覚めてたんだけど、あれ?」とか確認するしかない。モーションセンサーと脈拍で判断していると思われるので、装着している側の腕を下にして横向いて寝ていたりすると起きていても熟睡していることになっているような気がする。ただし普通に寝ていれば正確、な気がする。ウイスキーを2ショットぐらい寝酒で飲むと疲れていても熟睡できていないことがよくわかる。そういう意味では生活習慣変えようという人には非常にいいかも。私の生活習慣は変わっていないが。

ユーザーインターフェイス

ソフトウェア★★☆☆☆

2010年からRunKeeper使っているが、やはり過去のトレーニングを振り返るときはエプソンのNeoRunではなくRunKeeper。慣れている、というのも当然あるが、細かいところの使い勝手がいいのはRunKeeper。例えば地図はNeoRunだとMicrosoftのBingでPC上の全画面表示もできないし、常にノースアップで地図が回転できない。
iPhoneのアプリ、Run Connectも残念な感じ。Facebookにワークアウトの記録をアップデートするときにiPhone上で感想やコメントを付け加えることができない。表示形式もなんだか説明的で、「あ、今月も頑張らないと」みたいなアプリ開けてみた時のワクワク感があまりない。これまで走った累積距離などもどうやってみたらいいのか正直分からず、あまり直感的な操作ができない。いっそのことウェブやアプリの自社開発止めてRunKeeperでやってくれないか、と思ってしまう。

操作性★★★

流石に日本の会社が作る製品だけあって、日本語表示が分かりやすくなおかつ直感的に操作できる。マニュアル熟読しなくても、メニュー画面出して「GPS計測開始」って選べばいいんだな、とすぐにわかって使いやすいのは一番の美点。
ただしランなどのトレーニングを終えてGPS計測終了したら、そのトレーニングのデータをハイライトで出すぐらいの親切さがあってもいいのでは?いちいち「履歴」に行ってデータを選んで見るのはめんどくさい。Stopボタン押した時点でお前が自分で画面切り替えて確認しろよ、と言われればそれまでだが、心拍、獲得標高、スピードなどのデータを全て見てから計測終了、としなければいけないのは不親切に思われる。これはファームウェア更新で対応可能なはずなのでぜひお願いしたい。
またトレーニング時のデータ表示だが、自分で必要な項目を選んで画面に表示できるカスタマイズ機能があればいいのだが。私がランニング時に一番見たいのは心拍数と平均ペースと時刻表示だが、この3つをまとめて見られる画面がない。
カラー液晶にするか液晶の画素数を増やして情報量を増やしつつ、視認性を犠牲にしないよう次世代モデルには望みたい。
心拍数が一定のゾーンをはみ出すと振動する機能は便利だが、1㎞ごとに振動するバイブレーションと区別できるとありがたい。1㎞ラップはプルップルップルッ、心拍数のゾーンが変わったらブーン、のように。これもモーターの駆動のロジック変えればいいだけのはずなのでファームウェア更新で対応してもらえないものか。

ハードウェア 

デザイン★☆☆

ごてごてしていないのでいいと思うが、すごく洗練されているというほどでもない。私の持っているのはホワイトなのだが、いつも私はスーツ着用時に白いシャツしか着ないのでむしろ目立たない。半袖着ていたりすると日焼けしているせいもあって余計目立ちます。
液晶の時刻表示のフォントは日本ぽくて綺麗で好き。これがかっこ悪いと着ける気しない。

ハードウェア★★★

活動計を兼ねているのでここ半年近く充電の時以外ずっとつけたまま。装着感はよし。心拍数をしっかり計測するために、普通の時計よりもきつめにバンドを締めないといけないが、柔らかいベルト素材の上に穴が開いて通気性をよくしていなのであまり不快感はない。ただしずっと装着したままなので、外した時に微妙に臭いが気になる。お風呂に入る時も外さないので綺麗にしているつもりなのだが。できれば抗菌・防臭素材に改良するほうがユーザーにとって気持ちいいと思う。

充電器、というかクレードルがイケていない。充電器とUSBケーブルが一体となっているので、両方持ち運ばないといけない。今日仕事の後走ろう、だけど電池があまりない、などという時などは会社に充電器持って行ったりするケースって結構多い。携帯電話用などでUSBケーブルはみんな持ち歩いているので、充電器とUSBケーブルは別々にしてもらった方が圧倒的にありがたい。

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そしてケーブルと充電器の接合部分が横にあって、ケーブルを引き抜くことができないので携帯する際にかさばる上、充電する際コードの微妙過ぎる長さと柔軟性のなさで非常にかっこ悪い形で置いておかなければならないケースが多い(せっかくのクレードルなのに上下逆さまとか)のが残念。特にクレードルの左側にUSBソケットがある場合かなりの確率でかっこ悪い置き方になる。

総合評価 ★★★★☆

私が半年着用しているってことは私にとっては悪くないということだ。家には他の時計もいくつもあるし嫌ならやめている。活動量計も含め、ユーザーが蓄積したデータが増えれば増えるほど、着用しないことのデメリットが増える/着用していることのメリットが逓増してくる、という好循環にユーザーを引き込んでいる、というか私はすでにその罠に落ちている。
トライアスリートからするとオーシャンスイムのGPSデータが記録できないところが痛い。またバイクのデータは記録できるのだが、ランへのトランジションの際にわざわざバイクからランにカテゴリーを切り替えるのはめんどくさいしタイムロスしすぎるため出来ない。やはりランニングギア、というだけはある。

Garminとか他のGPSウォッチを試したわけではないけれど、ランナーの方は買って損することはないかと思います。以上現場から人柱がお伝えしました。

 

 

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