村上・笹川流れ国際トライアスロン2015に行ってきたでござるの巻
全国2500万人のトライアスリートとその予備軍のみなさん、このブログは開設からもう2年半になろうとしているにも関わらずコメントが一度もつかないという誰からも完全既読スルーな感じになっております今日この頃ですが、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
シルバーウィーク前の金曜日、会社を少し早めに出て帰宅し、7時前に家人と娘を車に乗せて時折豪雨の降る関越道を新潟へ。父ちゃんがトライアスロンの練習をしているのを見た娘が、村上のトライアスロンの前日に開催されるちびっ子アクアスロンに参加したい、というので前の日に新潟入り。
アクアスロンと言っても25m泳いで600mかけっこするだけ。でも体脂肪率の極端に低い娘のために簡単な4000円もしないようなウエットスーツを購入。
新潟のホテルを土曜日の8時に出発して村上へ。9時過ぎには到着し、父ちゃんが水着に着替えて水温チェック。ウエットスーツ無しで入れるぐらいの水温だが、日本海を北上する向きでの潮がとても強い。アクアスロンの偵察で泳いでいたふりをして私は翌日の本番のスイムを練習していた。
結局娘はビリから2番目でゴールしたのだが、オープンウォータースイムで泣きを入れるかと思ったら頑張っていたので親バカ父ちゃん的には嬉しかったです。600mランの方が厳しかったようで。
その後2時からトライアスロンの選手説明会。早稲田大学のスポーツ科学学術院の人からえらく詳細なアンケート用紙が配られ、トライアスリートのライフスタイルやメンタル面を調べるような質問が60問ほど。どうやらトライアスリートはメンタルが強いか、どんな人がトライアスロンを楽しんでいるのか(経済的に余裕のある人しかできないのでは、という仮説があった気がします)、というのを調べるのが主眼だったらしい。同じ質問がすごく間隔をあけて聞かれたりして、メンタル的に一貫性があるか否かを調べる趣旨だったような気がする。
スタート前には超晴天。
私は第3ウェーブで10時10分のスタート。スタート遅いとゆっくり朝食が食べられたりするので有難い。第3ウェーブのスターターは県会議員だったが、スプレーでスタートの合図をするのにしっかりノズルを押せない人だったので、なんだか出の悪いおならをする人、みたいなスタートの合図で最初からちょっとずっこけ気味のスタートとなった。
正直スイムは1.9㎞泳いだ常滑のハーフアイアンマンとあまり変わらないタイムだったので多くを語らない。一直線のコースを海岸沿いに750m行って折り返す、というスイム方向音痴にはとてもありがたいコースだったのに、何たることか。でもご一緒した方は折り返し以降は潮が非常に強くて前に進まなかった、と言っていたし、エリートの女子のタイムも昨年よりもずいぶん遅かったので、そういうものだったのかもしれない。
スイムはいろいろ試してみて、キックも使ってみたのだがそれでも遅かったので体力消耗して損しただけに終わった。そのせいでバイクが始まっても全然踏んでいかれない。コースは瀬波海水浴場から笹川流れに海岸沿いを走り折り返す、という単純なコース。だが吹きっさらしの中で向かい風もかなり強く、吹き流しが完全に真横を向いているような状況で、笹川流れまではいくら踏んでも全然スピードが出ない。ひたすら焦る。時速30㎞台に乗っている時間が非常に少ない。そして暑くなってくる中、MagOnを入れたチューブを落としてしまうという失態を犯し、脚が攣ったらどうしようという不安感と闘いながらのバイクとなった。
途中いくつか坂はあるものの、全般的にフラットな走りやすいコースなのに風のせいで全然スピードが乗らない。スイムで消耗した脚が悲鳴を上げる。何とか20㎞で折り返したら、今度は追い風になったのでとっても楽になった。復路は80%以上の部分で時速30㎞以上。一時最大速度で下り坂もあって時速52㎞を達成。でも最後の登りはきつかった。最終的に1時間半程度かかってバイク終了。タイム的には結構ひどいので、自己ベストは程遠く、3時間切りを目標に頑張ることにしたが、トランジション終えてランで50分切りで10㎞走らないと3時間切れないことが判明。結構キビシイ。
ランのスタートがいきなりの急坂なのでいきなり歩いてしまったが、それ以降はコースが平坦なこともあって元気良くスタート。下りが多くてありがたい。だが3、4㎞地点でバイクで踏んだせいか左足の膝の上の筋肉がプルプル言いはじめ、いつ攣ってもおかしくない状況に。色んな走り方をしてその筋肉に負担をかけずだましだまし走る。村上駅を過ぎ、村上市街に突入。旧家が並ぶ街並みを楽しむ余裕はあまりないが、足の攣りそうなのは良くなって、あとはスタミナ勝負。
9㎞を過ぎたころに、止まってしまっているランナーがいた。私も含めて後ろから走ってくる人が「あと数百メートルなんだから頑張ろう」「もうちょっともうちょっと」と励ます。こういうところはトライアスロンならではと思う。自分だけが良ければそれでいいのではなく、みんなで頑張ろう、というトライアスリートのメンタリティはいつもながら素晴らしい。
ランの終盤になるとちょっと寒気がし始め、微妙に熱中症かも、と思いながらも走り続ける。娘とそういえば同伴ゴールしよう、と言っていたけどどこにいるかな、と思っていたらゴール寸前で家人を発見。家人は娘に向かって叫ぶが、こっちはそれを待っている暇はなく、手元の時計で3時間10分ぐらいでのゴールとなった。結局ランは55分強。
コースでは地元の人が一生懸命応援してくれて、本当にうれしかったし頑張れた。ちびっ子も、お父さんお母さんも、おじいちゃんおばあちゃんも。介護施設の前でお年寄りに応援されたのと、出場者名簿見ながら名前で応援してくれた人たち、大声で応援してくれたちびっ子たちには本当に感謝しています。
レース後には村上トライアスロン名物の飲み放題食べ放題のおもてなし。私は塩おにぎりとカレー、玉こんにゃくとグレープフルーツを頂きました。スポーツドリンク、発泡酒その他も飲み放題。素晴らしいホスピタリティ。
その後塩を吹きまくっている身体を清めるべく冷たい水道水シャワーを浴びていたら、ちびっ子アクアスロンの表彰でうちの子供が呼ばれていてびっくり。なんとカテゴリーの女子3位で銅メダルを頂きました。それもエリート部門3位の日本人最速の田山選手から。娘は大喜び。
ランの最後の方では「何で俺はこんなつらいことやっているんだろう」と一瞬思ったりもしたが、やっぱり楽しかった。ゴール会場からトランジションエリアまで戻るシャトルバスに乗るころには「来年もまた来よう」と心強く誓っていた。
今回は2時間45分を目指そうと思っていたのだが、7月の宮崎シーガイアトライアスロンの後練習をしなさ過ぎた。負荷のかかる状況でのスピードに問題があるというのははっきり言って練習不足、地力不足で完全に自分のせい。冬に向けて走り込んで精進しようと誓った。
戦い済んだ後の海は引き続き波が強い。レースの開かれた瀬波は温泉も素晴らしく、海岸も子供と遊ぶにはちょうど良さそう。レースなしでも夏休みにまた訪問したい。
再び赤羽方面 みどり湯から念願のまるます家
宮崎シーガイアトライアスロン終了後、すっかりブログの更新をご無沙汰してしまったが別にモチベーションが下がったわけではなく、都内で珍しい屋外50mプールである目黒区民プールで9月の村上・笹川流れ国際トライアスロン大会に向けてトレーニングしていたら最近プールサイドから投げかけられる同性からの熱い視線が気になってしょうがない今日この頃ですが、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
9月の村上は、土曜日のジュニアアクアスロン大会にムスメを参加させる予定。私は子供の時はランニングもスイミングも死ぬほど嫌いだったが、おとーさんがトライアスロン頑張っているのを見るとアクアスロンに出てみたくなったらしい。50m海で泳ぎ、600m走る。うちのムスメは目黒区民プールに連れて行っても片道50mを1分半ぐらいで泳ぎ切れるので、海にさえビビらなければそこそこちゃんとできるだろう。
久々のランニング+銭湯+昭和の居酒屋のコンボだが、今回は仕事帰りに赤羽へ。前回赤羽に向かった際に残念ながら訪問できなかったまるます家にリベンジ。オフィスで着替え、会社の外で念入りにストレッチして帰宅途中のOLに奇異の目で見られるもへこたれず走り始める。外堀通りを根津まで、そこから本郷通りをまっすぐ走り、志茂まで行ってみどり湯へ。ここまでは全く前回同様。夏も終わりで日中の日差しも弱くなったが、日が陰ってもまだまだ蒸し暑く、12㎞走るとシャツもパンツも完全にびしょびしょ。毎日会社で2リットルの水を飲んでいるせいもあるが、トライアスロン始めてから体を冷却するために汗をかく能力が上がった気がする。喜んでいいのか悲しんでいいのか。
みどり湯ではまた大型テレビで巨人戦をやっており、阪神がぼこぼこにされていて悲しい気分になったが明らかにアウェイな土地柄なのでポーカーフェイス。近所の子供が二人銭湯でかき氷を食べていて、周りの大人たちが「もう休み終わるぞ、宿題やったか?」などと話しかけているのを聞くと、やはり下町はいいなと改めて思う。
身体が運動後、めちゃくちゃ火照っているので水風呂に入ろうとしたが、電気の力で15度にまで水温を下げているので冷たすぎて入れず。熱いサウナで耐えられず、前に入っていた人より先に出るとものすごく敗北感を覚えるが、水風呂に入ろうとして冷たすぎて入れないというのもなかなか屈辱的。大盛り頼んだのに食べられずに残した時のようだ。
そして短パンTシャツに着替え、汗まみれの自分のリュックサックに自分で閉口しながら赤羽駅へ。前回9時に行ったら完全ラストオーダーだったまるます家、早く行かないと閉まってしまうので気が気でない。
現着したのが8時15分。朝からやっている赤羽の伝説の居酒屋にようやく入ることができた。客は9分の入り。吉野家のカウンターの独特の形状は、この居酒屋から来たという話も単なる都市伝説ではないだろう。ジャン酎ハイが名物だ、と聞いていたが、そもそもジャン酎ハイって何かわからない。どうやらジャンボ酎ハイの略で、高校時代によく飲んだハイリキの1リットル入り。それもガラス瓶。1100円。巨大。シャレオツな人はこれに100円でミントとライムのモヒートセットを頼んで独り渋く飲むらしい。これを全部開けると運動後の体に相当染み入ってしまいそうだったので、とりあえずハイボールを注文。ブラックニッカをソーダで割ってもらう。
そしてドジョウの丸鍋、コイの刺身、ナマズのから揚げを頼んだところで揚げ物、焼き物はオーダーストップ。ウナギのかぶと焼は残念ながら終わっていた。この店はウナギをはじめとする川魚の店なので、我ながら見事なオーダー。
ドジョウもコイもナマズも、どれも癖があるかと思ったらそんなことは全くなく、走った後ということもあるがとても旨い。ナマズのから揚げは、言われなければそれとは気づかない人も多いかも。コイの刺身の薄切りさ加減も絶妙。丸鍋の出汁が身体にしみこんでいく。
本来だったら写真を撮ってここに載せるべきなのかもしれないが、写真撮ってるお姉ちゃんとかがあまりかっこよく見えなかったので店内の撮影は自粛。他のブロガーの写真でもご覧いただければ。
ハイボールをお代わりすると、「中ですね」と言われ、空いたジョッキにブラックニッカを注がれ、テーブルの上にある炭酸で自分で割って飲む。9時の完全ラストオーダーになり、水ナスを追加注文して飲み終わり、会計をしたら3100円だった。
赤羽から渋谷まで埼京線で20分。大手町から走って12㎞、1時間ちょっと。酒飲み向けのテーマパークのような街は意外と近かった。
その後、渋谷の行きつけのバーでまたウイスキーを飲んでしまい、帰宅は真夜中。朝会社で水飲むと水割り飲んでいる感じがし、相当の時差をもって「飲んだ後ラーメン食べたくなる現象」が10時ごろに発生してスープワンタン春雨を買ってお湯を入れて食べようとしたのだが、まだ酔いが残っていたのか会社の給水器の冷水を思いっきり注いでしまって凹みましたとさ。電子レンジでチンしてリカバーしたけど。
本日のトレーニング 12.32㎞ 1:10:53 5:45min/km 1026kcal
宮崎シーガイアトライアスロン2015に行ってきたでござるの巻
スイムがニガテな私がコーチと二人三脚で一生懸命プールでトレーニングに励んできたのに、今年エントリーした3つの大会のうち2つでスイムが中止になったので文句の一つも言いたいわ、俺に泳がせんかい責任者呼ばんかい、と思って腹立ちまぎれにスイム会場を念のため見に行ったら、松岡修造でもテンション下がりそうなほどのこれ泳いだら多分死ぬでしょ、という大波が5mの高さの防波堤を越えて押し寄せているのを見て、トライアスロンの神様ゴメンなさい二度とバカなことは言いません、と心から反省した今日この頃ですが、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
というわけで今年3戦目の宮崎シーガイアトライアスロン2015に行ってきた。今年で3年連続3回目。初回は某ギンギラギンなジャニーズ事務所所属年代別トライアスロン日本代表、某ITバブルの申し子懲役帰り、某ハーフモデル道端3姉妹のうちのどれか、など多彩な顔ぶれだったが、今回は上記二人目の人とレバレッジ学習法の人と元マクドナルド、現ベネッセの偉い人など若干地味な参加者リスト。
台風3兄弟が日本の近海に鎮座する中、海は大荒れでスイムは中止。ビーチラン1㎞とバイク40㎞、ラン10㎞の大会となった。
物凄く端折って結果を言うと、バイクは昨年のタイムより10分以上速くなり平均時速32㎞ほど、ランはバイクで頑張ったせいもあって消耗してキロ6分弱でフィニッシュ。スイムが仮に35分で終わったとするとオリンピックディスタンスで2時間50分程度、という自己ベスト更新するぐらいの勢いだった。
今回はいつものロンサムトライアスロンではなく、去年天草に行った時のパーティとご一緒。宮崎に縁のある方たちだったので、至れり尽くせりのツアー。金曜日の午後から宮崎入りし、生でも食べられるという超旨い鶏ミンチの鍋を出す「おらが村」で散々飲み食いしたり、土曜日の昼は釜揚げうどん「重乃井」、夜は「幸魚」で旨い魚を食べるという大人の遠足状態。土曜日はスイムが中止になったことで気が緩み、夜に宮崎の芋焼酎、日南娘と赤江を飲みすぎる始末。赤江は初めて飲んだが味が深くてクセになる。10時に酔っぱらって寝たが、熟睡した挙句に2時に目が覚めてそのまま寝付けず、熟睡感のないままに起床して現地へ。
雨がしとしと降り続く予想されていた降水確率100%の一日だったが、ビーチラン開始を待つまでに太陽が顔を出し、湿度100%の中で熱中症のリスクが非常に高い状態に。脚が攣らないようにミネラル分と水分の補給を忘れずに行う。
ホリエモンはどこにいるんだろう、と思っていたらトランジションエリア内で発見。昨年より体格も緩く、日焼けもしていなかったので今年は絶対負けない、と勝手に仮想敵に。2年前は私のほうが速く、去年は彼の勝ちで、今年こそリベンジしようと決める。ってか彼は私のことを知る由もないのに何のリベンジだよ。
ウエーブごとに10分差をつけてビーチラン1㎞のスタート。思ったよりも足をとられてエネルギーを消耗する。酒が抜けていない感じがして、自制心のない自分を呪う。トランジションエリアまでの道が思ったよりも長い。当初予定の2時間半以内のゴールもちょっと怪しい、ヤバい、と思いながらバイクスタート。
台風のせいで風が強く、向かい風になった時に踏んでいけるか心配だったが問題なく走る。今回はランのためにバイクで脚を残す、など考えずに踏めるだけ踏んでいこうという作戦。トムワトソンクラブハウスまで行く道は松の防風林で風の影響を考えずに済んだが、一ッ葉有料道路の南向きは風が直撃。それまで時速30㎞台半ばで走っていたのが、2周回目の南向きでは30㎞を割ってしまう。そしてお決まりの腰痛が襲ってきて、ロキソニンを2錠飲んで痛みをごまかす。それでもバイクは予定の1時間20分、平均時速30㎞よりもいいペースでゴール。
ランシューズに履き替えてコースに出た時点で1時間20分程度。このままキロ6分で走れば2時間20分でゴールできると思ってとても嬉しくなったのだが、バイクで脚を使ってしまっていて上手く走れず、今にも攣りそう。何とかキロ6分以内を死守しながらだましだまし走っていたのだが、最後の1㎞で気持ちが切れかかる。でかい声で「頑張れオレ」と何度も連呼。そしたら後ろから来た日本代表のユニホーム来た女性が「頑張ってくださいね」といってくれてちょっと恥ずかしい。後でわかったのだが、彼女はスタンダード女性クラスの6位でゴールしていた。
嘘だと思うかもしれないが、ポジティブな言葉を聞くと人は使われていない潜在能力を発揮できるようになる、というのは科学的に証明されているので、辛くなったら無理やり大声で前向きなことを叫んで自分の耳に届かせる方がいい。応援してくれるギャラリーがいると頑張れるが、応援してくれるギャラリーに「おかげで頑張れます」とか言ったほうがより力を振り絞ることができる。私は心の中で「俺はこの前アイアンマンになったんだから、オリンピックディスタンスなんて楽勝楽勝」とずっと呪文のように唱えながら走った。
2時間半という当初目標よりも10分速くゴールできるかと思っていたら、最後できつくなってしまってラスト100mはダッシュで何とか2時間19分59秒でゴール。暑さの中厳しいレースだったが自己最速ペースでレースが出来たので充実していた。
仮想敵ホリエモンには負けたくないと思ったが、彼は私より12分ほど早くゴールテープをカットしていてボロ負け。ランは大して変わらなかったのだが、バイクがめちゃくちゃ速い。平均時速35㎞を超えていた。まだまだ精進が足りないのでもっと練習しないと。
オープンウォーターの練習にぜひ: 明日開催鎌倉スイム(当日参加も可、のはず)
ひと瓶900円もする「千葉県産の落花生だけで造ったぴーなっつぺーすと」というものを体にいいと思ってわざわざ取り寄せてここ2年くらい毎日美味しくいただいていたが、実は調べてみるとパーム油が添加されていてトランス脂肪酸が結構な量含まれていたことが判明してへこんでいる今日この頃ですが、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
スイムに苦手意識があった/ある私の感想だが、トライアスロンのすそ野が広がったのに比べて、オープンウォーターで安全に泳ぐ練習のできる機会が限られていて、そこが競技人口拡大のボトルネックになっている気がしてならない。
本当は気が向いたときにふらっと海に出かけて泳ぎの練習ができるような施設があればいいのだが。たとえば使われなくなった漁港で防波堤に囲まれているようなところに、オープンウォータースイマーが自由に使える施設を作るとか。それが都内から車で1時間程度のところにあれば、それなりに人は集まる気がする。廃港を活かして地域が再活性するのであれば悪い話ではないと思う。
で、明日6月21日の午前9時から、鎌倉材木座でバディ冒険団主催の湘南オーシャンスイムシリーズ第3回、が開催される。私は第1回、2回ともに参加。一応レースでタイム計測してもらえるが、1500mだとOWS初心者の人が半分以上いる気がする。
主催者の立場になったつもりで考えると、事前にウェブで参加登録したほうがいいのだろうが、これまで私は2回とも現地で当日受付していただいた。思い立ったらその日でも参加できるというのは、計画性のない私にはありがたい。
都内から横浜横須賀道路、逗葉新道を経て134号線を走り、逗子のトンネル抜けたら材木座。ちょっと行くと材木座駐車場。そこに車を止めて、材木座海岸を西に向かって歩いていくとテントがあるので、そこで登録。当日受付は5500円(お釣りのないよう用意していきましょう)。名前と住所、緊急連絡先、「自己責任で泳ぎます」と一筆入れれば参加可能。(でも何らかの都合で当日参加が認められなくなる可能性もなくはないので、念のため。)
かなりアットホームな大会なので、9時ピッタリにレースが開始される、とかではなく準備のできたところでさあ行きますか、といった感じ。でもちゃんとレスキューもいるし、入水チェックもちゃんとやっていて、勝手にリタイアした人がいたりすると主催者の方々は確認のため登録していた携帯に電話したりして、万が一溺れていないかしっかりチェックしていた。リタイアする人はちゃんと報告しましょうね。タイム計測しているのでスタートしてから勝手にリタイアすると、行方不明になったかと思ってスタッフ焦りますので。前回目撃しました。
洋上に大きなオレンジ色のブイを三角形に並べて、1周回で750m、それを2周回する、というのが基本。第一回の鎌倉も第二回の江ノ島も、そこそこきれい。とはいえ水中で伸ばした手の先が見えないぐらいの透明度。オープンウォーターではプールと違って透明度がなく、自分が前に進んでいることが実感できずに不安に駆られる、ということもあるので(最初の頃の私がそうでした)、透明度の低い海で練習すること自体に意味がある。視界がないのでまっすぐ泳げているかどうかも当然にわからないためしっかりヘッドアップして前方を確認する必要あり。波やうねりを受けて思っているのと違う方向に進むことを防ぐために、遠くの地形を確認しながら泳ぐといったことは海でしかできない。波の谷間に沈めばブイが見えなくなるが、地形を覚えておけば大体の方向は間違えない。
またプールではなかなか試せない、ウエットスーツ着て泳ぐ感覚がつかめる。体、特に下半身が浮くのでキックの感覚がプールとはかなり違う。ちゃんとウエットスーツ着られていないと腕の可動域が制約されるので、練習で試しておいたほうがいい。本番前にどこにワセリン塗っておかないと皮膚が擦れるかも分かる。
海で泳いでみないとわからないことは意外にたくさんあるので、来年トライアスロンデビューしようという人は今頃からオープンウォーターで泳ぎ始めることをオススメします。オリンピックディスタンス初挑戦に向いている石垣島トライアスロンがもしおととし同様に来年4月に開催されることになると、来年になってからオープンウォーターの練習するのは東京では不可能。今年のうちに数をこなしておくほうが絶対にいい。
改めてオープンウォーターに慣れないうちに安全に泳ぐためのアドバイスを列挙します。
- 早めに到着して、ウエットスーツ着てまず足の着くところで試泳。リラックスして空を見ながらぷかぷか水面で浮かんで、ウエットスーツの浮力だけで浮くことを再確認してパニックに陥らないようにする
- 必ず目立つ色(ピンク、黄色など)のスイムキャップをかぶり、レース前に主催者とレスキューの人に初心者でちょっと不安があることを伝えておく
- スタート直後は落ち着いて数を数えながらストロークし息継ぎして呼吸を整え、過呼吸に陥らないことを意識する
- 本当に何かあったときはレスキューに向かって大きく手を振る、ウエットスーツ着ていたら絶対浮かぶので溺れることはないと冷静になる、脚が攣ってもみんな手だけで泳いでいるので全く問題ないし、万が一過呼吸発作になっても背泳ぎの要領で浮かんでいれば大丈夫
- ブイでターンした時にはしっかり水面から顔を出して次に向かうブイの方向、ブイの先の地形を確認する(通常はあまりにも明後日の方向に泳いでいた場合はレスキューが注意しに来てくれる)
- リタイアするときは勝手にリタイアしない、主催者もしくはレスキューに声がけせずに帰ったりすると行方不明になったかと思って血眼で捜索しなければならなくなるので
では楽しいオープンウォータースイム体験を。バディ冒険団の大会は雰囲気がほんわかしていて大好きです。
3週間でトライアスロン2戦に出て学んだ8つのこと
ミドルディスタンス初出場初完走を果たしたものの、独りぼっちトライアスロンだったために他の選手に記念撮影をお願いしなければならず、ゴール後の消耗した手でiPhone6 Plus持っていたら見事に手を滑らせて地面に落っことして画面が粉々になって購入後2度目の新品交換、1回当たり費用4万円x2、を食らってスマホ画面も心も砕けた今日この頃ですが、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
2012年の春にフルマラソンをかすみがうらで人生初完走してから3年でここまで来られたと思うと、人は頑張れば何とかなるものだ、と思う。さはさりながら、トライアスロンってのは色々と考えることややらなければならないことが多く、頑張り以前の問題で経験によってのみ学べることもあるので、人柱として学習したことを備忘の意味も込めて書いておく。
前日の会場入りは早いほうがいい。私は今回セントレアで選手登録を終えて午後2時からの回の競技説明会(いずれも必須)に参加し、その後セントレアの臨時駐車場まで歩いてからシャトルバスに乗ってスタート地点まで移動。空港が広くて臨時駐車場まで15分ほどかかり、シャトルバスも渋滞のせいで会場まで40分程度かかった。バイクのセッティングを始めたのが午後4時過ぎ。石垣島トライアスロンから直接常滑に航空便でバイクを送った間にリアチューブのバルブのところが破けてパンクしていて、修理しているうちに時間がどんどん経っていく。バイクを組み上げ、メカニックに念のためチェックしてもらって車検を通し、本番のランニング用のトランジションバックを預託する、というのを必ず夕方6時まで、すなわち2時間以内に行わなければならず、かなり大変だった。しっかりとバイクを組み上げないと命に関わるので、前日はできる限り早く現地入りして余裕をもって準備したほうがいい。そしてバイクは必ず組み上げた後試走をしよう。輸送の前に締め付けておいたナットが、輸送中に緩んでしまったかもしれない。走っておけば異音に気づくことが出来るが、組み上げてすぐバイクラックに掛けてしまうと異常に気がつかない。
同じく、本番の日の朝もできるだけ早く会場入りしたほうがいい。もちろん睡眠不足になるぐらい早起きしても逆効果なので前の日は早く寝よう。当日の朝は意外とやることがたくさんある。CCDドリンクを指定の濃度でボトル数本分作らなければならない。朝食会場が混んでいて、食事の場所が確保できないかもしれない。ホテルのチェックアウトのタイミングがほかの選手と重なって時間がかかるかもしれない。シャトルバスが混み合って移動に思った以上の時間をとられるかもしれない。試泳ができないとトラブルが起きる可能性が高まる。仮設トイレに長蛇の列ができているかもしれない。ゴーグルを試泳でなくしてどこかで調達しなければならなくなるかもしれない。セットアップしたバイクがスローパンクチャーを起こしているかもしれない。これらは実際にやらなければならないこと、起きたことだ。色んな事が起こり得るので、特に不安があるうちはできる限り時間に余裕を見たほうがいい。
ウェットスーツの裏には、ペイントマーカーか何かで大きく自分の名前を書いておこう。自分が間違えなかったとしても、他人が自分のウェットスーツを間違えて持って行くことが防げる。トランジションの時、練習やレース後に水で洗って干しているときなど、間違って持って行かれると悲しすぎるので。
スイムスタート前は、できるだけ周りの人と盛り上がろう。私はスイムが苦手なのでいつも緊張してしまい、無意識に肩に力が入ってしまって肩甲骨の可動域が狭くなったり、体幹がうまく使えなかったりする。今回はMCが盛り上げてくれてみんなでにこにこしながらハイファイブとかしていたので緊張もほぐれてよかった。一人で黙っていると肩の力が入るので、スタート前はできるだけ周りの人と盛りあがり、カウントダウンで大きな声出してリラックスしよう。そのほうが楽しいし。
スイムの後は、砂のついた足を洗い流すペットボトル(+足ふきタオル)を用意して、ソックスを履くことをお勧めする。私はオリンピックディスタンスではバイクもランもソックス履かずにこなしていたので今回の70.3もソックスなしだったが、スイムでふやけた裸足で長距離走ると靴擦れを起こしやすい。ランニング終わったら、私のZOOTのシューズが軽く血に染まっていた。靴擦れって意外と痛くてメンタルにきついので、ソックス履くことをお勧めする。
エナジージェルを何本も持っていくなら、フラスコに入れたほうがいい。バイクでエナジージェルのパッケージを破って中身をしごきだして食べるのは結構大変。フラスコなら4袋程度のジェルが入り、食べやすいうえにちびちび食べることができるし、バイクもべとべとにならない。
賛否両論あるが、ランで膝や腰が痛くなって後半走れなくなった経験がある人は、ロキソニン飲むことも検討した方がいいだろう。私は今回ランのスタートと10km地点で2錠飲み、おかげで膝の痛みや腰痛に悩まされることはなかった。バイクの後半で腰が張ってきたのでロキソニンをランスタートのトランジションバッグにしか入れなかったことを後悔したぐらいだ。痛みを感じるとメンタルに堪えるので、選択肢として考えていいと思う。
また、私のように夏のレースで熱中症のような症状に悩まされる(た)人は、
- レース1、2週間前から禁酒をして肝臓のグリコーゲンが無駄に消費されるのを避ける
- 前日から水分を意識的に摂取する、具体的にはOS-1のような経口補水液を前日・当日に摂取したり、マグネシウムを含むミネラルと水を意識的に多く取ったりする
- 足が攣るひとはMag-Onを飲むと攣りにくくなる
- ランの時は必ず帽子をかぶる、出来れば後頭部に白い布があるようなやつ。そしてエイドステーションごとに帽子に水を掛ける
- レースの時は水だけを飲むのではなく、塩分の含まれるタブレットと一緒に水を飲む
ことなどを勧める。
何だか上から目線的な書き方になってしまったが、自分に対して備忘録的に書いている部分もあるので悪しからず。あとは大事なことはレース後にiPhone落として割らないようにすることだ。
アイアンマン70.3セントレア知多半島ジャパンに行ってきたでござるの巻
本人はアイアンマン70.3を完走してサラリーマンからアイアンマンにアップグレードしたつもりでいたら、会社ではテツマン、テツマンと呼ばれてとても不健康なイメージになってしまっている今日この頃ですが、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。ちなみに平成生まれの方にはお分かりいただけないと思いますが、たばこの煙もうもうの中、畳二畳ほどの狭いスペースに男4人が顔を突き合わせ、徹夜で麻雀という非常に不条理なゲームにうつつを抜かすという旧世紀の遺物かつ昭和の時代の不毛な時間の過ごし方をテツマン、といいます。
いや、辛かったわ初ミドルディスタンス。何なのあのアップダウンのきついバイクコースとランコースは。何かの罰ゲームですか?私何か悪いことしましたか?何でこっちが時速10㎞を割るようなスピードでヒーコラいいながら「この坂はマジでバイク降りて押さないと越えられないかも」と思うような坂を、TTバイクの人たちはあんな勢いで追い抜いていかれるんですか?そして何とかランを始めた後に壁のような登り坂が立ちはだかっているのに、何でキロ5分ペースとかで飛ばせるんですか?もう意味が分かりません。
今回個人的に良かったことその1は、もちろん完走できたこと。
良かったことその2は、1.9㎞スイムのタイムが覚悟していたのよりも早かったこと。1時間10分のカットオフ大丈夫かな、と心配していたぐらいだったのだが、全く問題なくクリア。前週に出た江ノ島1.5㎞スイムのタイムよりも今回の1.9㎞のほうが数分早かった。どんだけ遅かったのか、という話なのだが。スイムが苦手な私としては大満足。これまでのベストペースでスイム終了。リラックスしてニコニコしながらスタートしたことと、多少左右にぶれたものの大きなタイムロスにつながる迷走、というか迷泳がなかったこと、コーチにアドバイスいただいた体幹を使う意識を強く持てたことが要因ではなかろうかという気がする。
良かったことその3は、脚が攣らなかったこと。発汗量が少なかったのが一番の理由かもしれないが、Mag-onをはじめとする携帯食に助けられた部分も大きい。Mag-onというのは一定程度を超えて失われると筋肉のけいれんにつながるマグネシウムを補給できるエナジーショット。これの梅フレーバーのジェルが結構いける。これとスポーツようかんそれぞれ6つずつぐらい食べながらレースをしたおかげか、脚が攣ることは全くなかった。前回の静岡マラソンのときは粉末を飲んだのだが、その時も気温が低かったのもあってトラブルなく完走。次回も絶対Mag-on持参で走る予定。ちなみにグレープフルーツ味のジェルはお勧めしない。
スタミナ使い果たしたとしても何とかゴールまではたどり着ける気がするが、いったん脚が攣ってしまったら動けなくなるので、脚の攣りがちな私にとって本当にありがたかった。CCDドリンクもレース中に1.5リットルくらい飲んだので、運動中の摂取カロリーは軽く1000kcalを超えている。バイク乗ってランニングしている間にとんかつ定食食べたぐらいのイメージか。
良かったことその4は、気候に恵まれたこと。比較的涼しい一日で、午前中は風もあまりなく泳ぎやすく、バイクでも走りやすかった。6月なのに35度近くの暑さだったと聞いた去年と比べれば天国。発汗量が多ければ恐らく脚が攣ってゴールできていなかったと思う。
良かったことその5は、ボランティアの声援が温かかったこと。バイクからランへのトランジション会場だった内海高校の高校生たちがとっても一生懸命に応援したり、サポートしてくれたことが記憶に残る。また、エイドにいるお母さんたちにも何度となく励まされたし、沿道の皆さんの心温まる応援にも社交辞令でなく、本当に心が温まった。走っていて辛いときはありがとう、となかなか言えなかったけれど、余裕があるときは「元気もらいました」といいながら心から感謝しながら走った。ボランティアの方、大会関係者の皆さん、本当にありがとうございます。
厳しかったことその1。セントレア周辺に宿泊した人向けシャトルバスのロジスティクスが悪いこと。当日朝の試泳スタートが6時30分から7時15分の間で、それを見越して5時半過ぎからセントレア臨時駐車場のシャトルバス乗り場に並んでいたのだが、すでに長蛇の列。
スイムが苦手な私としては、ぶっつけ本番で泳いでも何もいいことないので早く会場入りして試泳したかったのだが、7時前にぎりぎり会場について無理やり試泳できた。7時15分を過ぎると入水が認められないので、バスが遅れても救済措置なし。試泳できずいきなり泳いでパニックになる人もいるかもしれず、安全面でもどうかと思われる。
厳しかったことその2、というか私も反省すべき点。バイク前半が工業地帯を2周回するコースなのだが、私が1周回終わって間違って2周回を終えた前走者について行ってしまい、コース間違いに気づいて左コーナーの先の右端で停車。そこに後走者が追突した。後走者は落車したものの減速していたのでケガはなく、私もケガしなかった。お互いに詫びて、私はそのまま他の選手の邪魔にならないようにコースに復帰し走り始めたのだが、2周回目半分ぐらいでバイクに異音。何だろう、と思っていたら追い抜かしていく選手が「ボトルゲージが外れそうだよ」とのこと。何が起きているのかよくわからないままに走行を続けていたら、どうやら追突されたはずみでボトルゲージが折れたらしく、大きめの音がして振り返ると工具を入れたボトルごと地面に落ちてしまった。取りに戻るわけにもいかず。パンクした際に使うスペアのチューブや工具がなくなってしまったので、パンクしたらかなりの確率で即リタイア、という厳しい状況に追いやられたうえ、近くを走っていた選手からは罵られる始末。こちらが悪いのはわかるが、追突されて壊れた、という状況が分からなかったのだから私からしてみれば不可抗力に近い。でも追突した方、落下物で迷惑かけた方にはお詫びしたい。
厳しかったことその3は、自分のバイクの脚力。前半の平坦なコースではそこそこ踏めていたと思うが、後半になってアップダウンがきつくなるとともにパフォーマンスが低下。農道を走ることもあるかも、と説明会では聞いていたが、農道というよりはむしろあぜ道じゃん、というようなところも走り、90度コーナーや180度コーナーも数多く、重いギアで直線番長的に走る私のスタイルとは相いれないコース。体力を消耗し始めた後のきつい登りなど、時速10㎞を割るスピードで一番軽いギアでも登れないかも、という時が2度ほどあった。
さらに南知多道路に入ったら自動車専用道路なので楽できるかと思ったら、全くそんなことはなく。昼前になると無風だったのが完全な向い風となったうえ、とても厳しい上り下り。下りで勢いつけて登りを上りきろう、と思うが風で押されて勢いに乗れず。一度失速すると時速10㎞コース。私のようにロードバイクでなく、TTバイクだと楽なのかなあ、それとも単純に脚力のせいなのかなあ、と考えながら、もうこれは修行なのだ、苦しくても文句言うな、と自分に言い聞かせながらバイクを終えた。
厳しかったことその3は、ランコース。マラソンと違ってわざとアップダウンのあるコースにしているのは分かるが、南知多道路の側道の上り下りは半端ないわ。こんなところで走ったら体力消耗するだけだ、と思わせるような登り坂は、もう歩くしかないと思って歩いた。下りはスピード出して走る。走り始めたときは、「おれ、90㎞バイク漕いだ割には結構走れるじゃん」と思ったけれど、15㎞を過ぎるとかなり脚が重くなり、エイドの救護のところでコールドスプレーを何度も借りて膝の上の筋肉と太ももの裏を冷やしながら走った。でも本当に沿道の人の応援が心にしみた。
結局、6時間45分にて自分との戦いは終了。二人いた私の知り合いは私よりも小一時間以上早く終わっていたけれど、個人的にはかなり充足感があった。TTバイク買ったらもっとタイムが出るかな、とも思ったが、まず脚力つけるのが先のような気が。来年また同じ大会に出場したいか、と聞かれると、今はゆっくり休みたい。もう少し経てば、のど元過ぎればなんとやら、で「来年は6時間切りを目指す」とか景気のいいことを考えるのかもしれないが。
アイアンマン70.3セントレア知多半島ジャパン完走
アイアンマン70.3セントレア知多半島ジャパン参戦 2日前の巻
最近はランニングを愛する平和な一般市民、という偽装をかなぐり捨て、集団で黒いスーツに身を包み生命の危険を顧みず殴られたりのしかかれたり蹴られたりすることもある活動に従事したり、ヘルメットとサングラス姿に変装して限界に挑戦するなど狂信的かつ過激な運動に身を投じる公然活動家に転向し、多くの資金を活動のためにつぎ込んで家族からの孤立も進んでいる今日この頃ですが、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
いよいよ私にとっての2015年最大のイベント、ミドルディスタンス初挑戦の日が明後日に迫ってきた。アイアンマン70.3セントレア知多半島ジャパン。スイム1.9㎞(未体験)、バイク90㎞、ラン21㎞。
先日の石垣島トライアスロンではスイムがなかったので、いきなり1.9㎞泳ぐのもどうかと思い、先週末は再び湘南オーシャンスイムシリーズに参戦して江ノ島で1.5㎞を泳いできた。主催者の方には申し訳ないのですが、前回も今回も当日現地で申込み。気が向いたらふらっと江ノ島や鎌倉に日曜日の朝行ってサクッと泳げるので、とてもありがたい。
石垣島トライアスロン2015に行ってきたでござるの巻 その3
自宅のトイレに入ると自動であかりがついてフタが開いて、ことが終われば自動で水が流れる、という便利さに慣れ過ぎて、昨晩私がレストランのトイレを使った直後に同席の人、それも女性、がトイレに立った後、自分がちゃんと流したかどうか定かでなく不安で不安で夜も眠れない今日この頃ですが、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。逆の立場だったらかなり引くよね。
ランは事前情報でキビシイコースだと聞いていた。山を登って下って折り返して、また同じ山を登って下る、というメンタルにも体力的にもきついコース。マラソンランナーの方に言っておくと、トライアスロンのランコースはマラソンと違ってあえてきつめのアップダウンを取り入れているケースがままあり、マラソンと同じペースで走るのはなかなかキビシイぞ。バイクで頑張った脚は不服を訴え始め、いつ攣ってもしらないぞ、と私を脅す。バイクパートでマグネシウム入りのエナジージェルを摂らなかったことを後悔。小さなストライドでピッチ走法を心掛け、いつもあまり使えていない足の内側の筋肉を使うことを意識しながらだましだまし走っていく。ずっと登り坂が続きへこたれそうになるが、せっかくバイクで頑張ったのだから、と思って我慢。最初に手を抜くと、「今回はどうせタイムは関係ないから」と言い訳してダレがちだが、今回はそうならないようにモチベーションの維持に努める。エイドで小学生のボランティアが水をくれるのだが、石垣の子は照れ屋さんが多いのかお礼を言うとみんなもじもじしてかわいらしかった。うちのムスメは今日どうしているかな、とふと考える。
ずっと登った後は、ずっと下る。折り返しを終えた人たちとすれ違う。自転車の下りは楽だが、ランの下りはいつも使わない筋肉を使うので、これはこれでタイヘン。ランで辛くなると、「10㎞なんか楽勝じゃん、どんなにしんどくたって10㎞だったらどうにでもなるでしょ」といつも自己暗示をかけて走るのだが、今日も例外ではない。ようやく折り返すと、思った以上に延々と登りが続く。脚が攣りかかり、気持ちが切れて4回ほど歩いてしまう、が、今回は登りきったところから再加速することができた。眼下にゴール地点の運動公園の野球場のネットが見える。あとちょっと。沿道の人の応援がありがたい。ようやく運動公園の中に入り、早くゴールしたくてたまらないのだが、トラック1周回しなければならず、ほんの数百m走るのがめんどくさくて仕方ない。ゴール前で帽子とサングラスをとり、プロカメラマンがゴール地点で写真撮ってくれるのに備える。最後には後ろからスパートかけてくるオヤジと競り合いになって、イラッとしながら勝負するものの、ほんのちょっと負けてゴール。くそう。
結果はバイク27㎞、ラン10㎞ともに56分ぐらい。完走513人中上位40%にぎりぎり入れず。たられば言っても仕方ないが、あと1分縮めていれば20位は順位が上がったことを考えると、自分の意志薄弱さを改めて実感。
ゴール後くるぶしにつけたタイム計測用のセンサーを外そうとするのだが、疲れた体で片脚立ちして外すのがかなり難しい。困っていたらボランティアの小学生の男の子が私に代わってしゃがみこんで外してくれた。本当にありがたくて、「ありがとね、おじさん足が動かなくなっちゃったから、本当に助かったよ」と言ったら恥ずかしそうに笑っていた。ちびっ子がみんなとても親切にしてくれるので大感激。
無事に終わった石垣島トライアスロンだが、2週間後に人生初のミドルディスタンス挑戦を控え、スイムができなかったのがやはり残念だった。東京に戻っていろいろ調べていると、大会を1か月後に控えた4月下旬、以下のようなニュースが出ていたらしい。
石垣トライアスロンで死亡 遺族が市長を告訴へ
2013年4月の石垣島トライアスロンで、福岡県の男性=当時(41)=が スイム競技中に死亡した件で、熊本県在住の母親が、死亡したのは運営側の監視体制に不備があったのが原因だとして、大会組織運営会会長の中山義隆石垣市長を業務上過失致死で那覇地検に刑事告訴することが、24日に分かった。告訴状は同日付で那覇地検に郵送した。
大会当日、男性は水泳競技のゴール手前約30㍍で、うつぶせの状態で浮いていた。死因は溺死。石垣海上保安部は、運営側の過失を認めるまでには至らなかったとして、ことし2月に捜査を終えた。
男性の母親は告訴状で、砂浜に近い海上で浮いていた男性に気付かなかったのは監視業務を怠ったことを主張「同じ事故が起きないようしっかり 捜査してほしい」と語った。
大会の組織委員会や実行委員に加わる石垣市は「刑事告訴自体把握しておらず、今の段階ではコメントできない」とした。
(2015年4月25日付 沖縄タイムス)
だから前日の選手説明会では「雨が強い場合は視界が限られるので、波がなくても選手の監視に問題が出るのでスイムを中止します」と言っていたのか。当日も波はなくて雨も降っていなかったが、「強風のため万が一の時のレスキューの救出活動ができない恐れがある」ということでスイムは中止になった。さすがに市長が刑事告訴される中で強行するのは無理があったのだろう、と「オトナの事情」が透けて見えた。前回大会に参加していた市長は今回は挨拶だけだった。なるほど。
やはりこの「大人の事情」を考えると、来年も梅雨入り後の開催となるとスイム中止のリスクがかなり高いことを覚悟せざるを得ない。またこの時期に再び開催すると、石垣島の観光イメージにも打撃だろう。私が2013年4月にトライアスロンに初挑戦した時に石垣が大好きになってその後夏休みに家族を連れて再訪したぐらいだ。その時ずっと雨でホテルに缶詰めだったとしたら、観光で再訪することはなかっただろう。
いずれにせよ、事故なくケガなく今年の石垣島大会が無事終わってめでたい。トライアスロンではなくてデュアスロンになってしまったけど。無事にゴールしました、と嫁にLINEしたら華麗に既読スルー。バイクは丁寧に汚れを拭って箱詰めし、2週間後に決戦を迎えるアイアンマン70.3セントレア知多半島大会の会場特設ブースに直接送った。前回も行った美崎町のきたうち牧場で焼肉プチ打ち上げし、かみやーきグワーでかまぼこ買って、夕方7時の便で帰京。帰宅すると真夜中だった。次の仕事はできるだけ早く体力を回復して、ベストコンディションで1.9㎞泳ぎ、90㎞バイクをこいでハーフマラソンを走れる体になることだ。
おしまい。
石垣島トライアスロン2015に行ってきたでござるの巻 その2
最近自分のランニングウェアを着ると、普段着ている服ではしない柔軟剤のいい香りがするので心の中で嫁にありがとう!と感謝していたのだが、よくよく考えると私のランニングウェアだけ他のものと隔離されて洗濯されていた疑惑、が私の中で急激に高まりショックを隠しきれず嫁を呼んで小一時間ほど問い詰めたいと思うが出来ない今日この頃ですが、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
今ひとつ熟睡できた感じがないままに目覚めて窓を開けて外を見ると、ありがたいことに雨は降っていない。だが強風で電線がうなり、木の枝が大きく揺れている。このままで行くと通常開催かな、と考えながら食欲のないままに胃にカロリーメイトといなり寿司を詰め込み、足がつらないためのマグネシウムの入ったサプリメントを飲む。予定通りに開催されるのだろうな、と思うと嬉しい反面、睡眠不足を自覚して「おれこのコンディションで泳いで大丈夫かな」と若干の不安がよぎる。大体この不安と期待感のないまぜになった不思議な気分のまま、すべてを忘れて海に向かってゆっくりと歩を進めていく、というのが私の典型的なトライアスロンのスタートのシーンだ。
CCDドリンクを作ってボトルケージに装着。勝負用の道具はトランジションバッグに、その他のものはフロントに預かって貰うためリュックサックに。なんだかんだですぐに6時になってしまい、急いでトランジションバッグを背中に担ぎ、自転車にまたがって1kmほど離れたトランジションエリアへ。
トランジションエリアに着いてバイクをセットしていると、予想外のアナウンスメントが。「強風のため、スイムは2周回1.5kmのところを1周回750mに短縮、バイクも安全を確保するために50kmから27kmに短縮します」、とのこと。さっきの気持ちの裏返しで、ちょっと残念に思うのと同時に少し安堵する。バイクラックに引っかけたバイクが風で大きく揺れるぐらいの強風。のぼりがバタバタと大きな音を立てる。風に飛ばされないように、スイムの後にウエットスーツやゴーグルを収納するビニール袋の上にバイクシューズや水の入ったペットボトルを置く。ウエットスーツが擦れないよう、またトランジションですぐに脱げるように首の周りと足首に念入りにワセリンを塗る。ウエットスーツ着ると、俄然気合いが入る。トランジションエリア封鎖の7時が近づき、バイクの空気圧その他を最終チェック。ここでスローパンクチャーしていたら洒落にならない。
そしてしばらく待つとオープニングセレモニーが始まったのだが、そこでさらなる衝撃的な知らせが。6時半の時点ではスイムとバイクを短縮してレース実施、とアナウンスされていたのだが、何とスイムは中止、バイクは短縮コースを使う、との決定が伝えられる。集まった選手はみな呆然、声にならない溜息を漏らす。
雨は降っていないのだが風が強く、万が一スイムで事故が起こったときにマリンレスキューが救助するのに差し支える、というのがスイム中止の理由だとの説明がなされた。一昨年に不幸な出来事があり、昨年は大会がなかったことを考えると、今回再び事故が起これば二度と石垣島でトライアスロンが行われなくなる可能性も充分ある、というのはその場にいた選手みんなが理解していたため、本当に残念なのだが文句を言う人は私の周りには誰もいなかった。一番残念なのは、リレーで参加するスイムパートの選手だろう。
石垣島トライアスロンは選手800名弱に対して、ほぼ同数のボランティアスタッフがお手伝いしてくれているイメージ。マラソンではその比率は3〜5対1ぐらいの気がする。だからトライアスリートはボランティアスタッフに支えられているという感覚が非常に強く、運営側に対してのリスペクトと理解が深い、気がする。だからスイム中止になったからといってスタッフに詰め寄ったりする人はほとんどいないのではないか。
結局8時前から適当にゼッケン番号に関係なく、10人ずつぐらい並んでバイクスタート。よーいドン、で一斉に競争するのではなく、ネットタイムで順位を競い合う。27kmにコースが短縮されたので、わざわざCCDドリンクの入ったボトルを3つも用意しなくても良かったじゃん、と思いながら待っているうちに、自分のスタートの番がやってきた。
係員に誘導されながら一斉スタート。いきなりサザンゲートブリッジを登る坂だが、調子よく重めのギアでもぐいぐい踏んでいく。登り切ったらウエットな路面を全速力で駆け下った後に直角コーナー。間違ってもコーナーでマンホールなどを踏んで落車したりしないよう細心の注意を払う。緩やかな登りでたくさんの自転車を追い抜き、昨日説明会のあった運動公園まで。そこから西に向かって踏んでいく。南風が引き続き強く、時折向かい風になるとバイクが2、3㎞減速する。
いつものトライアスロンだと、私のスイムが遅すぎるのでバイクパートでは速い選手からは大きく引き離されて競り合いなど残念ながら出来ないのだが、今回は速い選手とがんがん競い合う展開。いわゆるTTバイクと呼ばれるトライアスロン専用仕様のバイクが後ろから来ると、空力性能がいいせいでブーンという低くて重い音がする。普通のロードレーサーにDHバーをつけただけの私のバイクは、特にこんな風の強い日は明らかに空力性能で不利。上り坂で抜くが、下りと平地では負ける、という展開はなかなか悔しい。でも道具で劣るのを体力でカバーするというのは、ショートではいいかもしれないが次回の常滑のように90㎞バイクで走るとなると結構辛いかもしれない。ゴルフと一緒である程度お金でスコアとタイムを買う、というのはありかも。でも再来週のミドルディスタンス初挑戦を完走してから考えることにする。
風は強いままだが曇り空から陽射しがのぞき、肩と背中をじりじり焼き始める。汗にまみれてきて、DHバーを握る手が滑って怖い。DHバーを持つとドロップハンドルの下を握るよりもおよそ30%程度空気抵抗が減るうえ、サドルに浅く腰掛けることでいわゆる「立ちこぎ」に近い状態でずっとペダルを踏める。だがその格好だとかなり強い前傾姿勢となり、ハンドルに体重がかかって前輪と後輪の重量バランスが8対2ぐらいのイメージ。荒れた路面で前輪の接地が安定しないと転ぶリスクが高まるし、わずかな動きで大きく進行方向が変わるので強風の中では危険が伴う。だが強風の時にこそ空気抵抗を減らしたいわけで、なかなか難しい。
島の西側の海岸沿いを走るうちに一昨年の光景がフラッシュバック。やいま村を過ぎた先の鋭角コーナーからの登り坂は前回は踏んでいかれなかったが、今回は時速30㎞台をキープできている。少しは進化しているのだろう。昔は脚の筋肉を中心に使っていた気がするが、最近は腹筋や背筋などの体幹の筋肉を意識しながら走れるようになった。だがいつもよりも明らかにバイクの運動負荷がきつい。なんでだろう、と考えながら走っていたら、ようやく分かった。
いつもは苦手のスイムに時間がかかり、バイクでかなり後方からスタートして遅い選手と競り合っていたが、今回はスイムが中止のおかげ(?)で速い選手と競争することになったので、モチベーションが上がって思った以上に頑張れていた、らしい。いつもと違う景色でレースができていることにうれしくなった。ということは、スイムである程度のタイムが出ないと悪循環ですべてのタイムが悪くなるということでもある。トライアスロンは自分で自分のケツをひっぱたいて自律的にモチベーションを保ちながら努力する、という側面が強いが、改めてこのスポーツにおけるモチベーションの維持の大切さを認識した。
バイクコースの後半になると、強風がもろに向かい風となる。ドラフティング(前の選手を風よけに使うこと)禁止のレースではあるものの、コースが狭いので実際にはドラフティングしている選手が数多く見受けられた。わたしも吹きすさぶ風の中ドラフティングしたかったが、同じようなスピードで走っている選手がいなくてずっと単独走行。最後の5㎞のアップダウンがきつい。ラスト1.5㎞のところでパンクしてタイヤ交換している人がいたが、修理するよりむしろ自転車かついで裸足で走ったほうがよっぽど早いのでは、と見ていて思った。
何とかバイク終了。腰の張りと、膝のすぐ上の筋肉が攣りそうな予感を感じながらバイクを降り、バイクを押して小走りにトランジションエリアへ。汗でヘルメットのストラップが気持ち悪く、早く脱ぎたいが、ルールでラックにバイクを掛けないとストラップを外せないのだ。
前日に預けたランニングシューズに履き替える。靴と帽子が私のバイクラックの場所にビニール袋に入って置かれていた。すぐ近くの選手は、預けたはずのシューズが見つからなくて困っていた。審判に相談していたが、どうなったのだろうか。自分でセットしたら自己責任だが、人がセットしたはずのものがセットされていなかったらさすがに切ない。
続く。