自転車操業一筋42年

世の中の「意識高い系」トライアスリートについていけない泳ぎがヘタで意志が弱いサラリーマン、永遠の42歳後厄、が初フルマラソン完走後3年でアイアンマン70.3のフィニッシャーに。フルマラソンサブ4達成後の次の目標はOD3時間切りです。

3週間でトライアスロン2戦に出て学んだ8つのこと

ミドルディスタンス初出場初完走を果たしたものの、独りぼっちトライアスロンだったために他の選手に記念撮影をお願いしなければならず、ゴール後の消耗した手でiPhone6 Plus持っていたら見事に手を滑らせて地面に落っことして画面が粉々になって購入後2度目の新品交換、1回当たり費用4万円x2、を食らってスマホ画面も心も砕けた今日この頃ですが、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。

 

2012年の春にフルマラソンかすみがうらで人生初完走してから3年でここまで来られたと思うと、人は頑張れば何とかなるものだ、と思う。さはさりながら、トライアスロンってのは色々と考えることややらなければならないことが多く、頑張り以前の問題で経験によってのみ学べることもあるので、人柱として学習したことを備忘の意味も込めて書いておく。

 

前日の会場入りは早いほうがいい。私は今回セントレアで選手登録を終えて午後2時からの回の競技説明会(いずれも必須)に参加し、その後セントレアの臨時駐車場まで歩いてからシャトルバスに乗ってスタート地点まで移動。空港が広くて臨時駐車場まで15分ほどかかり、シャトルバスも渋滞のせいで会場まで40分程度かかった。バイクのセッティングを始めたのが午後4時過ぎ。石垣島トライアスロンから直接常滑に航空便でバイクを送った間にリアチューブのバルブのところが破けてパンクしていて、修理しているうちに時間がどんどん経っていく。バイクを組み上げ、メカニックに念のためチェックしてもらって車検を通し、本番のランニング用のトランジションバックを預託する、というのを必ず夕方6時まで、すなわち2時間以内に行わなければならず、かなり大変だった。しっかりとバイクを組み上げないと命に関わるので、前日はできる限り早く現地入りして余裕をもって準備したほうがいい。そしてバイクは必ず組み上げた後試走をしよう。輸送の前に締め付けておいたナットが、輸送中に緩んでしまったかもしれない。走っておけば異音に気づくことが出来るが、組み上げてすぐバイクラックに掛けてしまうと異常に気がつかない。

 

同じく、本番の日の朝もできるだけ早く会場入りしたほうがいい。もちろん睡眠不足になるぐらい早起きしても逆効果なので前の日は早く寝よう。当日の朝は意外とやることがたくさんある。CCDドリンクを指定の濃度でボトル数本分作らなければならない。朝食会場が混んでいて、食事の場所が確保できないかもしれない。ホテルのチェックアウトのタイミングがほかの選手と重なって時間がかかるかもしれない。シャトルバスが混み合って移動に思った以上の時間をとられるかもしれない。試泳ができないとトラブルが起きる可能性が高まる。仮設トイレに長蛇の列ができているかもしれない。ゴーグルを試泳でなくしてどこかで調達しなければならなくなるかもしれない。セットアップしたバイクがスローパンクチャーを起こしているかもしれない。これらは実際にやらなければならないこと、起きたことだ。色んな事が起こり得るので、特に不安があるうちはできる限り時間に余裕を見たほうがいい。

 

ウェットスーツの裏には、ペイントマーカーか何かで大きく自分の名前を書いておこう。自分が間違えなかったとしても、他人が自分のウェットスーツを間違えて持って行くことが防げる。トランジションの時、練習やレース後に水で洗って干しているときなど、間違って持って行かれると悲しすぎるので。

 

スイムスタート前は、できるだけ周りの人と盛り上がろう。私はスイムが苦手なのでいつも緊張してしまい、無意識に肩に力が入ってしまって肩甲骨の可動域が狭くなったり、体幹がうまく使えなかったりする。今回はMCが盛り上げてくれてみんなでにこにこしながらハイファイブとかしていたので緊張もほぐれてよかった。一人で黙っていると肩の力が入るので、スタート前はできるだけ周りの人と盛りあがり、カウントダウンで大きな声出してリラックスしよう。そのほうが楽しいし。

 

スイムの後は、砂のついた足を洗い流すペットボトル(+足ふきタオル)を用意して、ソックスを履くことをお勧めする。私はオリンピックディスタンスではバイクもランもソックス履かずにこなしていたので今回の70.3もソックスなしだったが、スイムでふやけた裸足で長距離走ると靴擦れを起こしやすい。ランニング終わったら、私のZOOTのシューズが軽く血に染まっていた。靴擦れって意外と痛くてメンタルにきついので、ソックス履くことをお勧めする。

 

エナジージェルを何本も持っていくなら、フラスコに入れたほうがいい。バイクでエナジージェルのパッケージを破って中身をしごきだして食べるのは結構大変。フラスコなら4袋程度のジェルが入り、食べやすいうえにちびちび食べることができるし、バイクもべとべとにならない。

 

賛否両論あるが、ランで膝や腰が痛くなって後半走れなくなった経験がある人は、ロキソニン飲むことも検討した方がいいだろう。私は今回ランのスタートと10km地点で2錠飲み、おかげで膝の痛みや腰痛に悩まされることはなかった。バイクの後半で腰が張ってきたのでロキソニンランスタートのトランジションバッグにしか入れなかったことを後悔したぐらいだ。痛みを感じるとメンタルに堪えるので、選択肢として考えていいと思う。

 

また、私のように夏のレースで熱中症のような症状に悩まされる(た)人は、

  1. レース1、2週間前から禁酒をして肝臓のグリコーゲンが無駄に消費されるのを避ける
  2. 前日から水分を意識的に摂取する、具体的にはOS-1のような経口補水液を前日・当日に摂取したり、マグネシウムを含むミネラルと水を意識的に多く取ったりする
  3. 足が攣るひとはMag-Onを飲むと攣りにくくなる
  4. ランの時は必ず帽子をかぶる、出来れば後頭部に白い布があるようなやつ。そしてエイドステーションごとに帽子に水を掛ける
  5. レースの時は水だけを飲むのではなく、塩分の含まれるタブレットと一緒に水を飲む

ことなどを勧める。

 

何だか上から目線的な書き方になってしまったが、自分に対して備忘録的に書いている部分もあるので悪しからず。あとは大事なことはレース後にiPhone落として割らないようにすることだ。

アイアンマン70.3セントレア知多半島ジャパンに行ってきたでござるの巻

本人はアイアンマン70.3を完走してサラリーマンからアイアンマンにアップグレードしたつもりでいたら、会社ではテツマン、テツマンと呼ばれてとても不健康なイメージになってしまっている今日この頃ですが、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。ちなみに平成生まれの方にはお分かりいただけないと思いますが、たばこの煙もうもうの中、畳二畳ほどの狭いスペースに男4人が顔を突き合わせ、徹夜で麻雀という非常に不条理なゲームにうつつを抜かすという旧世紀の遺物かつ昭和の時代の不毛な時間の過ごし方をテツマン、といいます。

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いや、辛かったわ初ミドルディスタンス。何なのあのアップダウンのきついバイクコースとランコースは。何かの罰ゲームですか?私何か悪いことしましたか?何でこっちが時速10㎞を割るようなスピードでヒーコラいいながら「この坂はマジでバイク降りて押さないと越えられないかも」と思うような坂を、TTバイクの人たちはあんな勢いで追い抜いていかれるんですか?そして何とかランを始めた後に壁のような登り坂が立ちはだかっているのに、何でキロ5分ペースとかで飛ばせるんですか?もう意味が分かりません。

 

今回個人的に良かったことその1は、もちろん完走できたこと。

 

良かったことその2は、1.9㎞スイムのタイムが覚悟していたのよりも早かったこと。1時間10分のカットオフ大丈夫かな、と心配していたぐらいだったのだが、全く問題なくクリア。前週に出た江ノ島1.5㎞スイムのタイムよりも今回の1.9㎞のほうが数分早かった。どんだけ遅かったのか、という話なのだが。スイムが苦手な私としては大満足。これまでのベストペースでスイム終了。リラックスしてニコニコしながらスタートしたことと、多少左右にぶれたものの大きなタイムロスにつながる迷走、というか迷泳がなかったこと、コーチにアドバイスいただいた体幹を使う意識を強く持てたことが要因ではなかろうかという気がする。

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良かったことその3は、脚が攣らなかったこと。発汗量が少なかったのが一番の理由かもしれないが、Mag-onをはじめとする携帯食に助けられた部分も大きい。Mag-onというのは一定程度を超えて失われると筋肉のけいれんにつながるマグネシウムを補給できるエナジーショット。これの梅フレーバーのジェルが結構いける。これとスポーツようかんそれぞれ6つずつぐらい食べながらレースをしたおかげか、脚が攣ることは全くなかった。前回の静岡マラソンのときは粉末を飲んだのだが、その時も気温が低かったのもあってトラブルなく完走。次回も絶対Mag-on持参で走る予定。ちなみにグレープフルーツ味のジェルはお勧めしない。

スタミナ使い果たしたとしても何とかゴールまではたどり着ける気がするが、いったん脚が攣ってしまったら動けなくなるので、脚の攣りがちな私にとって本当にありがたかった。CCDドリンクもレース中に1.5リットルくらい飲んだので、運動中の摂取カロリーは軽く1000kcalを超えている。バイク乗ってランニングしている間にとんかつ定食食べたぐらいのイメージか。

 

良かったことその4は、気候に恵まれたこと。比較的涼しい一日で、午前中は風もあまりなく泳ぎやすく、バイクでも走りやすかった。6月なのに35度近くの暑さだったと聞いた去年と比べれば天国。発汗量が多ければ恐らく脚が攣ってゴールできていなかったと思う。

 

良かったことその5は、ボランティアの声援が温かかったこと。バイクからランへのトランジション会場だった内海高校の高校生たちがとっても一生懸命に応援したり、サポートしてくれたことが記憶に残る。また、エイドにいるお母さんたちにも何度となく励まされたし、沿道の皆さんの心温まる応援にも社交辞令でなく、本当に心が温まった。走っていて辛いときはありがとう、となかなか言えなかったけれど、余裕があるときは「元気もらいました」といいながら心から感謝しながら走った。ボランティアの方、大会関係者の皆さん、本当にありがとうございます。

 

厳しかったことその1。セントレア周辺に宿泊した人向けシャトルバスのロジスティクスが悪いこと。当日朝の試泳スタートが6時30分から7時15分の間で、それを見越して5時半過ぎからセントレア臨時駐車場のシャトルバス乗り場に並んでいたのだが、すでに長蛇の列。

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スイムが苦手な私としては、ぶっつけ本番で泳いでも何もいいことないので早く会場入りして試泳したかったのだが、7時前にぎりぎり会場について無理やり試泳できた。7時15分を過ぎると入水が認められないので、バスが遅れても救済措置なし。試泳できずいきなり泳いでパニックになる人もいるかもしれず、安全面でもどうかと思われる。

 

厳しかったことその2、というか私も反省すべき点。バイク前半が工業地帯を2周回するコースなのだが、私が1周回終わって間違って2周回を終えた前走者について行ってしまい、コース間違いに気づいて左コーナーの先の右端で停車。そこに後走者が追突した。後走者は落車したものの減速していたのでケガはなく、私もケガしなかった。お互いに詫びて、私はそのまま他の選手の邪魔にならないようにコースに復帰し走り始めたのだが、2周回目半分ぐらいでバイクに異音。何だろう、と思っていたら追い抜かしていく選手が「ボトルゲージが外れそうだよ」とのこと。何が起きているのかよくわからないままに走行を続けていたら、どうやら追突されたはずみでボトルゲージが折れたらしく、大きめの音がして振り返ると工具を入れたボトルごと地面に落ちてしまった。取りに戻るわけにもいかず。パンクした際に使うスペアのチューブや工具がなくなってしまったので、パンクしたらかなりの確率で即リタイア、という厳しい状況に追いやられたうえ、近くを走っていた選手からは罵られる始末。こちらが悪いのはわかるが、追突されて壊れた、という状況が分からなかったのだから私からしてみれば不可抗力に近い。でも追突した方、落下物で迷惑かけた方にはお詫びしたい。

 

厳しかったことその3は、自分のバイクの脚力。前半の平坦なコースではそこそこ踏めていたと思うが、後半になってアップダウンがきつくなるとともにパフォーマンスが低下。農道を走ることもあるかも、と説明会では聞いていたが、農道というよりはむしろあぜ道じゃん、というようなところも走り、90度コーナーや180度コーナーも数多く、重いギアで直線番長的に走る私のスタイルとは相いれないコース。体力を消耗し始めた後のきつい登りなど、時速10㎞を割るスピードで一番軽いギアでも登れないかも、という時が2度ほどあった。

さらに南知多道路に入ったら自動車専用道路なので楽できるかと思ったら、全くそんなことはなく。昼前になると無風だったのが完全な向い風となったうえ、とても厳しい上り下り。下りで勢いつけて登りを上りきろう、と思うが風で押されて勢いに乗れず。一度失速すると時速10㎞コース。私のようにロードバイクでなく、TTバイクだと楽なのかなあ、それとも単純に脚力のせいなのかなあ、と考えながら、もうこれは修行なのだ、苦しくても文句言うな、と自分に言い聞かせながらバイクを終えた。

 

厳しかったことその3は、ランコース。マラソンと違ってわざとアップダウンのあるコースにしているのは分かるが、南知多道路の側道の上り下りは半端ないわ。こんなところで走ったら体力消耗するだけだ、と思わせるような登り坂は、もう歩くしかないと思って歩いた。下りはスピード出して走る。走り始めたときは、「おれ、90㎞バイク漕いだ割には結構走れるじゃん」と思ったけれど、15㎞を過ぎるとかなり脚が重くなり、エイドの救護のところでコールドスプレーを何度も借りて膝の上の筋肉と太ももの裏を冷やしながら走った。でも本当に沿道の人の応援が心にしみた。

 

結局、6時間45分にて自分との戦いは終了。二人いた私の知り合いは私よりも小一時間以上早く終わっていたけれど、個人的にはかなり充足感があった。TTバイク買ったらもっとタイムが出るかな、とも思ったが、まず脚力つけるのが先のような気が。来年また同じ大会に出場したいか、と聞かれると、今はゆっくり休みたい。もう少し経てば、のど元過ぎればなんとやら、で「来年は6時間切りを目指す」とか景気のいいことを考えるのかもしれないが。

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アイアンマン70.3セントレア知多半島ジャパン完走

意志薄弱なスイムのヘタなサラリーマンが、2015年6月7日をもってアイアンマン(70.3)にアップグレードしました。
誰かが何か見返りをくれるから辛さに耐える、という訳でなく、自分が一度やると決めたからには必ずなし遂げる、というただそれだけのモチベーション。
久しぶりに達成感を感じた瞬間。
これからも頑張ります。
記録については聞くな(笑)
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アイアンマン70.3セントレア知多半島ジャパン参戦 2日前の巻

最近はランニングを愛する平和な一般市民、という偽装をかなぐり捨て、集団で黒いスーツに身を包み生命の危険を顧みず殴られたりのしかかれたり蹴られたりすることもある活動に従事したり、ヘルメットとサングラス姿に変装して限界に挑戦するなど狂信的かつ過激な運動に身を投じる公然活動家に転向し、多くの資金を活動のためにつぎ込んで家族からの孤立も進んでいる今日この頃ですが、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。

 

いよいよ私にとっての2015年最大のイベント、ミドルディスタンス初挑戦の日が明後日に迫ってきた。アイアンマン70.3セントレア知多半島ジャパン。スイム1.9㎞(未体験)、バイク90㎞、ラン21㎞。

 

先日の石垣島トライアスロンではスイムがなかったので、いきなり1.9㎞泳ぐのもどうかと思い、先週末は再び湘南オーシャンスイムシリーズに参戦して江ノ島で1.5㎞を泳いできた。主催者の方には申し訳ないのですが、前回も今回も当日現地で申込み。気が向いたらふらっと江ノ島や鎌倉に日曜日の朝行ってサクッと泳げるので、とてもありがたい。

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少し波はあったものの、文句のつけようのないコンディションの中、記録は冴えず。
透明度は1m程度で水温20度。むしろ気持ちいいぐらいだ。言い訳、無し。
もともと苦手だったスイムだが、一時は相当改善したのに最近はオープンウォーターで泳ぐと全然タイムが出ない。プールではそこそこのスピードで泳げるようになったが、ウエットスーツ着るとキックがうまくできず体の軸を保つ感覚が失われて思うように泳げない。泳いでいるうちにどんどん左側に曲がって行ってしまった上、泳ぐ方向を間違えたりしてえらく時間をロスしてしまった。
今度のレースは1.9㎞を1時間10分の時間制限内で泳ぐのがとりあえずの目標、と非常に志の低い誓いを立てた。
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スイムのコーチに相談したところ、改善点はいくつかあるという。
 
まず左に左に曲がっていってしまう点について。右手のストロークをして右側を向いて息継ぎをしている際に左手を伸ばしているその向きが、体の中心から外れて左側に向いてしまっている、らしい。そのせいで息継ぎをするたびに左側にずれていくという。対策としては、息継ぎの際に手を伸ばす方向を体の中心に沿うように意識するということ、もしくは思い切って左右両方で息継ぎを行ってバランスをとる、とのこと。
 
これまで右側でしか息継ぎをしたことがないのに、いきなり左右それぞれ息継ぎを行う、というのは違和感があった。だが体の軸を意識するドリルとして右手だけクロール、左手だけクロールをそれぞれ練習したら、左右ともに息継ぎができるようになり、さらに体の軸を強く意識できるようになった。片手クロールだと、体の軸がはっきり保てないと、掻いても掻いても前に進まない。片手クロールで頭が動かないように意識しながら練習することで、体の軸がぶれず、力が逃げないスイムが少しずつ実感できるようになった。
 
石垣島のレースの後は常滑に向けて体を休めることに重点を置いていたのだが、日曜日にオーシャンスイムして水曜日にスイムのプライベートレッスンをしたら、自分の体に澱のように疲れがたまっていることを実感。腰が張っていて、靴下穿くのも結構大変という情けない状況。とりあえずレースまでに体をほぐしたく、小川町のケッズスポーツマッサージにてガッツリメインテナンスしてもらったら相当復活。とても上手だと同僚が言うので初めて行ってみたが、本当にその通りだった。体も筋肉も固いので手加減せずにやってください、とお願いしたので超痛かったが、久しぶりに腰の張りが取れて熟睡できた。
 
石垣島のときはシーズン初めのレースということで何かとしっかり準備したが、今回は比較的のんびり。目標は完走、それも欲を言って6時間台。気温がそれほど高くならないと予想されているのが救い。仮に7時間でフィニッシュするとすると、私のフルマラソンの2倍弱の時間ということになる。ということはフルマラソンの2倍ほどつらい、ということか。考えてみただけでも肛門括約筋がキュッとなるわ。とりあえずロキソニン買って、ランの前に飲むことにしよう。
 
とりあえずミドルディスタンスに初挑戦する、といろんな人に言って回ったので、リタイヤするととてもかっこ悪いことになる、と自分を追い込むことに成功。これはもう完走しかない。未知への領域への挑戦。どうなることやら。早く寝ようっと。
 
 

石垣島トライアスロン2015に行ってきたでござるの巻 その3

自宅のトイレに入ると自動であかりがついてフタが開いて、ことが終われば自動で水が流れる、という便利さに慣れ過ぎて、昨晩私がレストランのトイレを使った直後に同席の人、それも女性、がトイレに立った後、自分がちゃんと流したかどうか定かでなく不安で不安で夜も眠れない今日この頃ですが、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。逆の立場だったらかなり引くよね。

 

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ランは事前情報でキビシイコースだと聞いていた。山を登って下って折り返して、また同じ山を登って下る、というメンタルにも体力的にもきついコース。マラソンランナーの方に言っておくと、トライアスロンのランコースはマラソンと違ってあえてきつめのアップダウンを取り入れているケースがままあり、マラソンと同じペースで走るのはなかなかキビシイぞ。バイクで頑張った脚は不服を訴え始め、いつ攣ってもしらないぞ、と私を脅す。バイクパートでマグネシウム入りのエナジージェルを摂らなかったことを後悔。小さなストライドでピッチ走法を心掛け、いつもあまり使えていない足の内側の筋肉を使うことを意識しながらだましだまし走っていく。ずっと登り坂が続きへこたれそうになるが、せっかくバイクで頑張ったのだから、と思って我慢。最初に手を抜くと、「今回はどうせタイムは関係ないから」と言い訳してダレがちだが、今回はそうならないようにモチベーションの維持に努める。エイドで小学生のボランティアが水をくれるのだが、石垣の子は照れ屋さんが多いのかお礼を言うとみんなもじもじしてかわいらしかった。うちのムスメは今日どうしているかな、とふと考える。

 

ずっと登った後は、ずっと下る。折り返しを終えた人たちとすれ違う。自転車の下りは楽だが、ランの下りはいつも使わない筋肉を使うので、これはこれでタイヘン。ランで辛くなると、「10㎞なんか楽勝じゃん、どんなにしんどくたって10㎞だったらどうにでもなるでしょ」といつも自己暗示をかけて走るのだが、今日も例外ではない。ようやく折り返すと、思った以上に延々と登りが続く。脚が攣りかかり、気持ちが切れて4回ほど歩いてしまう、が、今回は登りきったところから再加速することができた。眼下にゴール地点の運動公園の野球場のネットが見える。あとちょっと。沿道の人の応援がありがたい。ようやく運動公園の中に入り、早くゴールしたくてたまらないのだが、トラック1周回しなければならず、ほんの数百m走るのがめんどくさくて仕方ない。ゴール前で帽子とサングラスをとり、プロカメラマンがゴール地点で写真撮ってくれるのに備える。最後には後ろからスパートかけてくるオヤジと競り合いになって、イラッとしながら勝負するものの、ほんのちょっと負けてゴール。くそう。

 

結果はバイク27㎞、ラン10㎞ともに56分ぐらい。完走513人中上位40%にぎりぎり入れず。たられば言っても仕方ないが、あと1分縮めていれば20位は順位が上がったことを考えると、自分の意志薄弱さを改めて実感。

 

ゴール後くるぶしにつけたタイム計測用のセンサーを外そうとするのだが、疲れた体で片脚立ちして外すのがかなり難しい。困っていたらボランティアの小学生の男の子が私に代わってしゃがみこんで外してくれた。本当にありがたくて、「ありがとね、おじさん足が動かなくなっちゃったから、本当に助かったよ」と言ったら恥ずかしそうに笑っていた。ちびっ子がみんなとても親切にしてくれるので大感激。

 

無事に終わった石垣島トライアスロンだが、2週間後に人生初のミドルディスタンス挑戦を控え、スイムができなかったのがやはり残念だった。東京に戻っていろいろ調べていると、大会を1か月後に控えた4月下旬、以下のようなニュースが出ていたらしい。

 

石垣トライアスロンで死亡 遺族が市長を告訴へ  

2013年4月の石垣島トライアスロンで、福岡県の男性=当時(41)=が スイム競技中に死亡した件で、熊本県在住の母親が、死亡したのは運営側の監視体制に不備があったのが原因だとして、大会組織運営会会長の中山義隆石垣市長を業務上過失致死で那覇地検に刑事告訴することが、24日に分かった。告訴状は同日付で那覇地検に郵送した。  

大会当日、男性は水泳競技のゴール手前約30㍍で、うつぶせの状態で浮いていた。死因は溺死。石垣海上保安部は、運営側の過失を認めるまでには至らなかったとして、ことし2月に捜査を終えた。  

男性の母親は告訴状で、砂浜に近い海上で浮いていた男性に気付かなかったのは監視業務を怠ったことを主張「同じ事故が起きないようしっかり 捜査してほしい」と語った。  

大会の組織委員会や実行委員に加わる石垣市は「刑事告訴自体把握しておらず、今の段階ではコメントできない」とした。

(2015年4月25日付 沖縄タイムス

 

だから前日の選手説明会では「雨が強い場合は視界が限られるので、波がなくても選手の監視に問題が出るのでスイムを中止します」と言っていたのか。当日も波はなくて雨も降っていなかったが、「強風のため万が一の時のレスキューの救出活動ができない恐れがある」ということでスイムは中止になった。さすがに市長が刑事告訴される中で強行するのは無理があったのだろう、と「オトナの事情」が透けて見えた。前回大会に参加していた市長は今回は挨拶だけだった。なるほど。

 

やはりこの「大人の事情」を考えると、来年も梅雨入り後の開催となるとスイム中止のリスクがかなり高いことを覚悟せざるを得ない。またこの時期に再び開催すると、石垣島の観光イメージにも打撃だろう。私が2013年4月にトライアスロンに初挑戦した時に石垣が大好きになってその後夏休みに家族を連れて再訪したぐらいだ。その時ずっと雨でホテルに缶詰めだったとしたら、観光で再訪することはなかっただろう。

 

いずれにせよ、事故なくケガなく今年の石垣島大会が無事終わってめでたい。トライアスロンではなくてデュアスロンになってしまったけど。無事にゴールしました、と嫁にLINEしたら華麗に既読スルー。バイクは丁寧に汚れを拭って箱詰めし、2週間後に決戦を迎えるアイアンマン70.3セントレア知多半島大会の会場特設ブースに直接送った。前回も行った美崎町のきたうち牧場で焼肉プチ打ち上げし、かみやーきグワーでかまぼこ買って、夕方7時の便で帰京。帰宅すると真夜中だった。次の仕事はできるだけ早く体力を回復して、ベストコンディションで1.9㎞泳ぎ、90㎞バイクをこいでハーフマラソンを走れる体になることだ。

 

おしまい。

石垣島トライアスロン2015に行ってきたでござるの巻 その2

最近自分のランニングウェアを着ると、普段着ている服ではしない柔軟剤のいい香りがするので心の中で嫁にありがとう!と感謝していたのだが、よくよく考えると私のランニングウェアだけ他のものと隔離されて洗濯されていた疑惑、が私の中で急激に高まりショックを隠しきれず嫁を呼んで小一時間ほど問い詰めたいと思うが出来ない今日この頃ですが、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。

 

今ひとつ熟睡できた感じがないままに目覚めて窓を開けて外を見ると、ありがたいことに雨は降っていない。だが強風で電線がうなり、木の枝が大きく揺れている。このままで行くと通常開催かな、と考えながら食欲のないままに胃にカロリーメイトといなり寿司を詰め込み、足がつらないためのマグネシウムの入ったサプリメントを飲む。予定通りに開催されるのだろうな、と思うと嬉しい反面、睡眠不足を自覚して「おれこのコンディションで泳いで大丈夫かな」と若干の不安がよぎる。大体この不安と期待感のないまぜになった不思議な気分のまま、すべてを忘れて海に向かってゆっくりと歩を進めていく、というのが私の典型的なトライアスロンのスタートのシーンだ。

 

CCDドリンクを作ってボトルケージに装着。勝負用の道具はトランジションバッグに、その他のものはフロントに預かって貰うためリュックサックに。なんだかんだですぐに6時になってしまい、急いでトランジションバッグを背中に担ぎ、自転車にまたがって1kmほど離れたトランジションエリアへ。

 

トランジションエリアに着いてバイクをセットしていると、予想外のアナウンスメントが。「強風のため、スイムは2周回1.5kmのところを1周回750mに短縮、バイクも安全を確保するために50kmから27kmに短縮します」、とのこと。さっきの気持ちの裏返しで、ちょっと残念に思うのと同時に少し安堵する。バイクラックに引っかけたバイクが風で大きく揺れるぐらいの強風。のぼりがバタバタと大きな音を立てる。風に飛ばされないように、スイムの後にウエットスーツやゴーグルを収納するビニール袋の上にバイクシューズや水の入ったペットボトルを置く。ウエットスーツが擦れないよう、またトランジションですぐに脱げるように首の周りと足首に念入りにワセリンを塗る。ウエットスーツ着ると、俄然気合いが入る。トランジションエリア封鎖の7時が近づき、バイクの空気圧その他を最終チェック。ここでスローパンクチャーしていたら洒落にならない。

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 そしてしばらく待つとオープニングセレモニーが始まったのだが、そこでさらなる衝撃的な知らせが。6時半の時点ではスイムとバイクを短縮してレース実施、とアナウンスされていたのだが、何とスイムは中止、バイクは短縮コースを使う、との決定が伝えられる。集まった選手はみな呆然、声にならない溜息を漏らす。

 

雨は降っていないのだが風が強く、万が一スイムで事故が起こったときにマリンレスキューが救助するのに差し支える、というのがスイム中止の理由だとの説明がなされた。一昨年に不幸な出来事があり、昨年は大会がなかったことを考えると、今回再び事故が起これば二度と石垣島トライアスロンが行われなくなる可能性も充分ある、というのはその場にいた選手みんなが理解していたため、本当に残念なのだが文句を言う人は私の周りには誰もいなかった。一番残念なのは、リレーで参加するスイムパートの選手だろう。


石垣島トライアスロンは選手800名弱に対して、ほぼ同数のボランティアスタッフがお手伝いしてくれているイメージ。マラソンではその比率は3〜5対1ぐらいの気がする。だからトライアスリートはボランティアスタッフに支えられているという感覚が非常に強く、運営側に対してのリスペクトと理解が深い、気がする。だからスイム中止になったからといってスタッフに詰め寄ったりする人はほとんどいないのではないか。

 

結局8時前から適当にゼッケン番号に関係なく、10人ずつぐらい並んでバイクスタート。よーいドン、で一斉に競争するのではなく、ネットタイムで順位を競い合う。27kmにコースが短縮されたので、わざわざCCDドリンクの入ったボトルを3つも用意しなくても良かったじゃん、と思いながら待っているうちに、自分のスタートの番がやってきた。

 

係員に誘導されながら一斉スタート。いきなりサザンゲートブリッジを登る坂だが、調子よく重めのギアでもぐいぐい踏んでいく。登り切ったらウエットな路面を全速力で駆け下った後に直角コーナー。間違ってもコーナーでマンホールなどを踏んで落車したりしないよう細心の注意を払う。緩やかな登りでたくさんの自転車を追い抜き、昨日説明会のあった運動公園まで。そこから西に向かって踏んでいく。南風が引き続き強く、時折向かい風になるとバイクが2、3㎞減速する。

 

いつものトライアスロンだと、私のスイムが遅すぎるのでバイクパートでは速い選手からは大きく引き離されて競り合いなど残念ながら出来ないのだが、今回は速い選手とがんがん競い合う展開。いわゆるTTバイクと呼ばれるトライアスロン専用仕様のバイクが後ろから来ると、空力性能がいいせいでブーンという低くて重い音がする。普通のロードレーサーにDHバーをつけただけの私のバイクは、特にこんな風の強い日は明らかに空力性能で不利。上り坂で抜くが、下りと平地では負ける、という展開はなかなか悔しい。でも道具で劣るのを体力でカバーするというのは、ショートではいいかもしれないが次回の常滑のように90㎞バイクで走るとなると結構辛いかもしれない。ゴルフと一緒である程度お金でスコアとタイムを買う、というのはありかも。でも再来週のミドルディスタンス初挑戦を完走してから考えることにする。

風は強いままだが曇り空から陽射しがのぞき、肩と背中をじりじり焼き始める。汗にまみれてきて、DHバーを握る手が滑って怖い。DHバーを持つとドロップハンドルの下を握るよりもおよそ30%程度空気抵抗が減るうえ、サドルに浅く腰掛けることでいわゆる「立ちこぎ」に近い状態でずっとペダルを踏める。だがその格好だとかなり強い前傾姿勢となり、ハンドルに体重がかかって前輪と後輪の重量バランスが8対2ぐらいのイメージ。荒れた路面で前輪の接地が安定しないと転ぶリスクが高まるし、わずかな動きで大きく進行方向が変わるので強風の中では危険が伴う。だが強風の時にこそ空気抵抗を減らしたいわけで、なかなか難しい。

 

島の西側の海岸沿いを走るうちに一昨年の光景がフラッシュバック。やいま村を過ぎた先の鋭角コーナーからの登り坂は前回は踏んでいかれなかったが、今回は時速30㎞台をキープできている。少しは進化しているのだろう。昔は脚の筋肉を中心に使っていた気がするが、最近は腹筋や背筋などの体幹の筋肉を意識しながら走れるようになった。だがいつもよりも明らかにバイクの運動負荷がきつい。なんでだろう、と考えながら走っていたら、ようやく分かった。

 

いつもは苦手のスイムに時間がかかり、バイクでかなり後方からスタートして遅い選手と競り合っていたが、今回はスイムが中止のおかげ(?)で速い選手と競争することになったので、モチベーションが上がって思った以上に頑張れていた、らしい。いつもと違う景色でレースができていることにうれしくなった。ということは、スイムである程度のタイムが出ないと悪循環ですべてのタイムが悪くなるということでもある。トライアスロンは自分で自分のケツをひっぱたいて自律的にモチベーションを保ちながら努力する、という側面が強いが、改めてこのスポーツにおけるモチベーションの維持の大切さを認識した。

 

バイクコースの後半になると、強風がもろに向かい風となる。ドラフティング(前の選手を風よけに使うこと)禁止のレースではあるものの、コースが狭いので実際にはドラフティングしている選手が数多く見受けられた。わたしも吹きすさぶ風の中ドラフティングしたかったが、同じようなスピードで走っている選手がいなくてずっと単独走行。最後の5㎞のアップダウンがきつい。ラスト1.5㎞のところでパンクしてタイヤ交換している人がいたが、修理するよりむしろ自転車かついで裸足で走ったほうがよっぽど早いのでは、と見ていて思った。 


何とかバイク終了。腰の張りと、膝のすぐ上の筋肉が攣りそうな予感を感じながらバイクを降り、バイクを押して小走りにトランジションエリアへ。汗でヘルメットのストラップが気持ち悪く、早く脱ぎたいが、ルールでラックにバイクを掛けないとストラップを外せないのだ。


前日に預けたランニングシューズに履き替える。靴と帽子が私のバイクラックの場所にビニール袋に入って置かれていた。すぐ近くの選手は、預けたはずのシューズが見つからなくて困っていた。審判に相談していたが、どうなったのだろうか。自分でセットしたら自己責任だが、人がセットしたはずのものがセットされていなかったらさすがに切ない。


続く。

石垣島トライアスロン2015に行ってきたでござるの巻 その1

私が新入社員だった頃、会社で「あの人ってめっちゃおっさんやん」と思っていた人の当時の年齢よりも今の私の方が年を取っていることに最近気がついて愕然としている今日この頃ですが、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。

 

昨日は今年のデビュー戦、石垣島トライアスロン。金曜日の午後、飛行機で石垣へ。土曜日に発っても良かったのだが、今年初めてのレースなので精神的に余裕を持って参加したく半休を取得。


羽田の離陸前から、「視界不良のため状況によっては那覇もしくは宮古に着陸地を変更するかもしれない」とのアナウンス。梅雨前線が本格的に八重山諸島にやってきているのだろう。そのせいもあってか飛行機は空いている。いかにもトライアスリート、という人はあまりいない、と思っていたが、空港のターンテーブルでは自転車を受け取る人たちが結構いた。


夕方の石垣は強い雨。気温はそれほど高くないので、湿度の割にはむっとする感じはない。ホテルにチェックインしたのが6時半過ぎ。7時半に一人飯を予約してあったのでそそくさと出かける。中高時代の同級生が懇意にしている夫婦が、大阪から石垣に移ってやっているアソビバ、というレストラン。当人が石垣の店になかなか行かれないので、代打ちで私がやってきた。カリフォルニアワイン中心のワインショップを併設しているが、間違いなく日本最南端のワインショップ。残念ながらレースを控えてワインは1杯だけ。丁寧に作られた前菜と石垣牛のハンバーグ、そして大盛りライスを頂き、かつての同級生にLINEで写真を送って自慢、楽しくお店の方とお話ししたのち9時半に辞去。

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外は大雨でタクシーで帰る。運転手さんと話していると、一日中かなり強い雨が降ったとのこと。石垣ではざっと降ってすぐやむので、一日雨が強く降ることはめったにない、そうだ。ホテルに着いたら少し小降りになっていたが、風が吹きさらしているのは止まらなかった。結局金曜日の晩はそれ以上出歩くことなく十分な睡眠をとることに専念。

 

土曜日は早く起きだして朝食後に自転車を組み上げた。ホテルのフロントの前のスペースにバスタオルを敷いて、汚さないように。外したDHバーをハンドルへ。今回のために購入したシートポストに付けるボトル2個用のホルダーを装着、いい感じ。

 

外は小雨が降ったりやんだりしていたが試走へ。やはりディレーラーの具合が悪く、ギアがすんなり収まらない。しばらく美崎町の周りを走っていたら、救いの神に遭遇。吉祥寺のオミノウェイズの小美野さんが、某ホテルの前でバイクのメインテナンスをしていらっしゃるのを発見。かなりご無沙汰してしまっていたのだが、改めてご挨拶をして自転車を見ていただいた。ディレーラーもやはり問題があったのだが、その前に後輪がきっちりあるべきところにはまっていなかったらしい。しっかり組み上げたつもりだったのだが、そのままレースに出ていたらと思うと少し怖くなった。トライアスロン全日本チームをサポートするメカニックに自転車見てもらえるなんて本当にラッキー。早く石垣島に来た甲斐もあるというものだ。

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その後スイム会場を見に行く。今年からスイムはサザンゲートブリッジを渡ったところにできた防波堤に囲まれた人工のビーチで開催。小雨の降る中、バイクごと持ち上げられるような風が吹く。トランジションエリアではスポンサーののぼりが強烈にはためいている。サンゴ礁に囲まれている海は、波こそそれほど立たないものの、潮の流れが相当きつい。私の初トライアスロンだったおととしの石垣島トライアスロンでは、潮に流されて全然前に進まず、コースロープに押し流された人たちがおしくらまんじゅう状態になっていたのを思い起こさせる。足だけ水に入ると、温度は申し分なかった。

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ゴールデンウィークに鎌倉で1.5㎞のオープンウォーターの大会に出たばかりな上、防波堤に囲まれた比較的浅めの海、と事前に聞いていたので不安はそれほどなかったのだが、これだけ風が強いと何が起こるかわからない。改めて気を引き締める。


雨が強くなってきて宿に戻り読書で暇をつぶしたのだが、湿気でページがべろべろになる。たいしたことしてないので腹も減らないのだが、カーボローディングのために10分ほど歩いてあさひ食堂へ。あさひ定食というのをお願いすると、煮物の小鉢、八重山そばにマカロニサラダとごはん、という相当充実した定食だった。と思ったら、後からとんかつが出てきてびっくり。当然満腹に。


選手登録と競技説明の始まる4時までまだ時間があったので、土砂降りの中スポーツマッサージの店をウェブで探して訪問。あさひ食堂からもホテルからも遠くない「のぶ整体院」というところだったのだが、すごく上手くてびっくりした。骨盤の周りの筋肉が相当強張っているのは分かっていたが、遠慮なく肘でぐりぐり押されて泣きそうになった。「のぶ整体院」、お勧めします。

 

一回ホテルに戻って小雨の中バイクに乗って選手登録の行われる市民体育館へ。バイクスタートとランスタートの場所がかなり離れているので、ランニングシューズその他のランに必要なものを選手登録と同時に預託して、ボランティアスタッフの方が当日トランジションエリアにセットする、という珍しいパターン。

 

競技説明会では、レース本番の日曜日も荒天が予想されるので、スイムが中止になる可能性があるとのこと。リレーのスイム担当の人は念のためランニングシューズを持ってくること、という念押しがあった。一昨年の大会ではスイムで不幸な事故があったので、前日の飲酒はしないように、という注意も。またバイクの20-30km地点は冠水も含めてかなりコンディションが悪いので、バイクもコースを短縮して行われる可能性があるということも伝えられた。

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 説明会終了後、土曜日に石垣入りした友人と「しま膳」という居酒屋に行く。一杯だけビールを久しぶりに飲んで、翌日の段取りを二人で確認し、旨い石垣の料理を平らげて8時半に宿に向かう。本番は7時半過ぎに競技が始まるので、逆算して5時に目覚ましをセット。遅くても6時半にはチェックアウトしなければならないので、コンビニで朝食のカロリーメイトといなり寿司を購入。ゼッケンホルダーにゼッケン付けたり、ゴーグルの確認したり、誓約書の準備したり、自転車とヘルメットにステッカー貼ったり、フルスーツのウエットの腕の部分にナンバリングのシール貼ったり、本番に備えやること結構あるので酔っぱらったりしている場合ではない。

 

10時過ぎにベッドへ。ぐっすり眠る予定だったのだが、電線が風で鳴り続けるのとホテルの目の前のコンビニの駐車場で若者が夜遅くまで騒ぐので、寝入ったと思ったら起きてしまう、という最低のパターン。もしかすると緊張していたのかも知れない。うつらうつらしているうちに目覚ましが鳴って、いよいよレース本番を迎えることになった。

 

続く。

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オープンウォーター用のグッズは事前に試してから

加齢のせいかジムで泳いだ後にゴーグルの痕がなかなかとれず、パンダみたいな顔をしたまま渋谷の街をうろうろして道行く人にドン引きされている今日この頃ですが、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。

 

肩甲骨周りをしっかりストレッチしてからでないとスイムのタイムが出ない、ということがわかり始めたので、ジムにてじっとりと汗が出るぐらい入念にストレッチ。そしていつものゴーグルではなく、オープンウォーター用のゴーグルをトライアスロンバッグから引っ張り出して実戦前に試すことに。

 

最後に使ったのはもしかすると去年の天草でのレースかも。そのレースでは、ご一緒させていただいた方がレーススタート前にビーチでゴーグルをなくしてしまい、人生初トライアスロンなのにキビシイ展開になるところだった。たまたま水中から見つかったからよかったものの、さすがに最初のレースでゴーグルなしというのは精神的に辛すぎる。ゴーグルは念のため予備を用意しておけ、というのが我々の学んだ教訓。

 

久しぶりに使うゴーグルが使い物にならなかったら教訓学んだ意味もないので、来週の石垣島の前にプールで試しておく、という趣旨だったのだが、結果からいうと試しておいて正解、買いなおす必要あり。見た目は全然劣化していなかったのだが、顔とのフィットが失われていて、さまざま調整しても水がゴーグルの中に入ってきてしまう。別に水が入ったからといって溺れるわけではないのだが、集中力を失うし天候によっては折り返しのブイが見えなくなったりしそうで怖い。

 

私の使っているゴーグルはAqua Sphereというおイタリアのメーカーのもの。そもそも平たい顔族(©テルマエ・ロマエ)が使うことを前提としていない。またオープンウォーター用のゴーグルはレース中に脚で顔を蹴られた際にケガしないようにクッション性が高められているのと、ヘッドアップした際に遠くが見渡せるように上部が大きくできている。そのため通常のゴーグルよりも使う人を選ぶ傾向が強い。

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確かに買った当初から少しストラップをきつめに調整しないとフィットしなくて、でもそうすると泳いだ後ずっと眼の周りが赤いままでハズカシイ感じだった。新品だとゴーグルの曇りもないので、やはりけちけちしないで1年に1個買うのでいいのではないか。

 

ちなみに平たい顔族が作っている平たい顔族向けゴーグルは楽天もしくは以下のアマゾン(送料考えるとアマゾンのほうが安いかも)。

あと、ウエットスーツ着るのが初めて、という人へのアドバイス。コンビニなどでもらえるビニール袋を足先や手先にかぶせてからウエット着ると、抵抗なくつるっと手足が通る。引っ張ったりすると破れます。トランジションエリアでスムースに脱げるよう、足と手の先端部分にはワセリンをたくさん塗っておくこと(着てから折り返して裏側を中心にワセリン塗ってください)。また脇の下と首周りにも、すれ防止のためにワセリンを。マラソンで乳首に絆創膏貼らずに走って血まみれになったりレース後の社会生活(?)に支障をきたしたりする経験ある人もいるかと思いますが、あの絆創膏と一緒です。

ここ重要ですが、ワセリン塗った手でゴーグル触ると前が全く見えなくなる(しレース直前だと完全に取り除くのはほぼ不可能)ので、先ほどのビニール袋を手に装着したままでワセリン塗るように。素手で塗ってゴーグル触るとマジ最悪です。日焼け止めも同様。

私が愛用しているのは、こちらのココナッツの香りがするグリス。普通のワセリンも持っているが、試合前にココナッツの香りでリラックスできる気がするので。

肩甲骨の動きがウエットスーツのせいで制限されるとスピードが出ないので、フルスーツの場合は肩周りはしわが残るぐらい余裕を残したほうがよい。手を思いっきり伸ばしたときにストレスないぐらいがちょうど。そうすると陸上で手を下ろしているときには肩周りに余裕が残るはず。

 

トランジションではみんな慌ててウエットスーツ脱ぐので散乱したり、レース中に風で飛ばされたりするので、自分のウエットスーツがどれか分からなくなることがある。せっかくオーダーしたウエットスーツが取り違えられてなくなっても悲しいので、裏側の部分に白いペイントマーカー的なもので名前を大きく書いておくことを忘れずに。

 

いずれにせよ私のようにスイムが苦手な人、あるいは今シーズンから初トライアスロンという人は、本番でいきなり新しいグッズ使って「聞いてないよ~」というような事態にならないために事前に試すことを強くオススメします。トライアスロンって道具多いので、事前の準備をお忘れなく。

一人なんちゃってツールド北陸その2 和倉温泉から金沢方面

自分の人生で最近右肩上がりなのは尿酸値だけであることが分かった今日この頃ですが、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。

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一人なんちゃってツールド北陸の二日目は、和倉温泉から金沢まで。軟弱トライアスリートとしてはすでに連休中にバイク200㎞超、ラン30㎞をこなし、結構脚を使ってしまっているので、今日はおとなしく走る。
土地鑑のほとんどないところだけに、ルートをしっかり確認してから走り出すべきなのだろうが、和倉温泉から金沢に行くのは一本道ではないので結構大変。道路標識を見ながら行くにしても、複数のルートがあって「金沢方面」と書かれている方向に向かっても当初考えていた道を使っているのかわかりにくいので困る。


5月の金曜日、七尾市から日本海側に向かうものの、交通量が超少ない。引続き初夏のまぶしい日差しが降り注ぎ、田植えの準備をしている中を、なんで富山や金沢の道は茶色に染まっているのだろう、と思いながらバイクで走る。調べてみたら海沿いで融雪装置の鉄のパイプがさびてしまうから、らしい。またオートバイが全然走っていないことにも驚いた。冬走れないからなのだろう。そのせいかどうか知らないが、道路はあまり二輪車フレンドリーではなく、交通量は少ないが、道に並行して融雪装置の段差があって非常に危険だったり、道幅が狭かったり路面が荒れていたりして、必ずしもスムースとは限らない。そういえば富山ナンバーと富士山ナンバーって紛らわしいな、とも思う。

前日の天気予報では西からの風が弱く吹くでしょう、と言っていたが、能登半島の東側にある和倉温泉から金沢まではずっと西向きに走ることになり、緩やかとはいえずっと向かい風に悩まされる。虚弱トライアスリートの脚では踏んでいかれず、スピードは低迷。

羽咋、と書いて「はくい」と読むとは知らなかった。羽咋に出て海岸というか波打ち際を車が走る千里浜なぎさドライブウェイを南下しよう、というのが当初の計画だったのだが、間違ってドライブウェイの西端に接続している国道159号線を走ってしまい、残念ながら8㎞波打ち際をロードバイクで疾走、というわけにはいかなかった。誰かに記念撮影してもらおうかと思ったのだが残念ながら人があまりおらず、自撮りになってしまった。でもご覧の通りとても気持ち良い道だった。

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砂がかなり細かく締まっているので、ロードバイクで走ることは何の問題もない。ただし風が吹くと若干砂が舞うので、チェーンに付着したりしないといいな、と思った。


千里浜からは少し交通量が増え、あまり楽しくないライド。8号線の本線は自転車通行止めとは書かれていないのだが、高速道路にも似た片道2車線の規格のいい道を時速60㎞を超えるスピードでガンガンクルマが通る。その横を走っていたら、クルマからおばちゃんが窓を開けて、大きな声で「ここは自転車通行禁止よ!」と叫ぶ。わざわざ心配して走行中の車から言ってくれるのがありがたい。通行禁止じゃないんだけどね。東京だとまずこういうことはないな。

 

ひび割れの多い道を高めの空気圧で70㎞も走るとさすがにお尻が痛くなってきて、金沢に着くのが待ち遠しい。結局昼過ぎに犀川を越えたところのスーパー銭湯でライド終了。ほぼ80㎞。疲れたので脚を伸ばして風呂につかり、洗い場でストレッチ、こわばる脚をマッサージ。すね毛ないとマッサージもやりやすいわ。平日の昼なのでさすがに風呂も空いている。

運動後なのにあまり空腹感が湧かず、かといってがつがつ観光するには疲れていたので、マッサージ屋で入念にメインテナンスしてもらうことに。店まで自転車で乗り付ける。東京から来て二度と再訪はない、と告げても何もいいことないはずなので、地元の運動好きのおじさんのふりをすることにした。雑談していて、「やはり通勤は自転車ですか?」と聞かれ「いやいや違います」と答えたら、「やっぱりクルマですよねー」と言われる。こちらは危うく「電車通勤です」と言いそうになったが、金沢ではほとんどの人が自動車通勤なのだろう。危うくぼろを出すところ。90分じっくりやってもらって、非常に上手な人だったので繰り返し来たいぐらいだった。

 

マッサージ終わるともう夕方5時前、ツールド北陸終了のご褒美に楽しみにしていた金沢の居酒屋に繰り出すこと。かつて「こいで」に行って、あまりの旨さに驚愕したことがあった。今回は残念ながら予約が取れなかったので、目星をつけた「とと屋」というところに行くことに。Google Mapで調べて行ったのだが、えらく外観が立派な別のとと屋に連れていかれ、なんか違うな、ということでまたうろうろ。結局、当初行きたかった「こいで」のほとんどはす向かいぐらいにあった。

 

調べたら5時開店、7時半過ぎの新幹線の予約を持つ身としては早く飲み始めていろいろ食べたい、と気が焦る。でも5時に現着しても仕込みを行っている音が聞こえるが店が開く気配が全然なく、店の前で自転車を止めて一人佇む。10分ぐらい待っても何も起きないので、引き戸を引いて「何時からですか?」と一人で仕込みをしていた若いお兄さんに聞くと、「いつもは5時ぐらいからです」とのこと。まあ急かしても仕方がないので、店の前のベンチに座って道行く人を眺める。

 

お待たせしました、と声がかかり店の中へ。古い店と聞いていたので、おじいちゃんが店をやっているのかと思ったら、さっきのお兄さんが一人で切り盛りしているらしい。

 

運動後にもかかわらず昼飯を食べていないことに気づく。そうめんの上になすの揚げ浸しが乗ったお通しとハイボールでまず乾杯。しみじみと旨い。

 

そのあとに何食べようかと店を見渡すと、ケースの中に大好きなサヨリが妖しく光っていて、食欲をそそる。卵がまるでマスカットのようなきれいな緑色をした見たことがないエビがあったので尋ねると、「ガスエビです」とのこと。刺身を見繕ってもらって富山の地酒を常温でもらう。

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やはり金沢の魚は旨い。東京で食べられないものを食べるのが旅の楽しみ。ガスエビはいたみやすいらしく、地元でしか食べられないらしい。地酒と地の魚という最強のコンビにノックアウトされる。

そしてドジョウのから揚げと白エビの素揚げ。ドジョウは魚の味を楽しむというかサクサクとした食感が面白い。大好きな白エビは酒が進むことこの上なかった。

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結局酒3杯と刺し盛り、ドジョウ、白エビ、冷やしトマトで3800円。クオリティを考えると信じられないぐらい安い。その後は近くの金沢駅で酔っぱらいながらバイクをバラして輪行袋に詰め、土産買ってがらがらの北陸新幹線に乗り込み、A席からC席までの3列使って寝転がって気が付いたら大宮だった。湘南新宿ラインに乗って帰宅したら11時過ぎ。個人的に充実していた2日間だったが、家族からはどう思われたかはわからない。

 

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本日のトレーニング 79.43㎞ 3:47:35  20.94km/h  1,950kcal

 

 

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一人なんちゃってツールド北陸その1 富山から和倉温泉方面

温泉旅館の風呂で使い捨ての髭剃り使ってこそこそスネ毛を剃っていたら周りの人が変な目で見ていないか心配で超自意識過剰になった自分が恥ずかしく、そのあと源泉掛け流しの湯に入ったら塩分強くて剃毛後の肌にしみてしみて泣きそうになった今日この頃ですが、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。

 

ちなみにトライアスリート(とサイクリスト)がスネ毛を剃るのはそもそも身だしなみなのと、ケガの際の処置が簡単だからなので念のため。

 

ゴールデンウイークはざまの木・金は有給休暇をいただいた。本当は香港に行く予定だったのだが、諸事情あってキャンセル。またいつもの通り出たとこ勝負で、当日の朝に思い立って北陸新幹線に乗って一人トレーニングへ。

 

人生初の輪行輪行というのはJKにお金を渡したり、相手が18歳未満だとわかっていながらの行為とは全く異なり、バイクをバラしてバッグに詰めて公共交通機関で移動してからまた組み立て直してサイクリングすること。昔アマゾンで買って放置していた輪行袋の非常にわかりにくい説明書に四苦八苦しながらバイクを収納、渋谷から大宮に湘南新宿ラインで出て、初めての北陸新幹線はくたか号乗車。新幹線の中でメールを見ると、石垣トライアスロンの最終要項が発表されているのでチェックされたし、と大会本部からのメッセージが。読みながら緊張してくる。そして12時半には富山駅に降り立っていた。

 

富山から和倉温泉で一泊してから金沢に行く、というざっくりしたプランに基づき初日、二日目とも80㎞程度のツーリング、の予定。

 

天気は快晴、空気がきれいなせいで紫外線が心なしか強い気がするので日焼け止めを塗る。気温23度、湿度が低い。金沢、新湊には学生時代行ったことがある程度で、土地勘全くなし。まあ適当に海沿い走って氷見まで出て、そこから道路標識に従って山越えれば着くでしょ、的なゆるーい感じで行ったのだが、峠でハマリました。

 

海沿い走っていったらいいか、と思って行った富山新港では新湊大橋が自転車通行止めと書かれていて、渡船も行ったばかりで遠回りさせられた。後から調べるとエレベーターに乗って自転車押せば橋は渡れたらしい。全く下調べしなかったせいだが、まあ運動しに行ったわけなので最短距離をいかれなかったからといってどうということはない。しかしGoogle Mapの推奨するルート、富山・石川の県境にある荒山峠を越えて和倉温泉を目指す、というのはかなり無謀だったことを思い知らされることとなった。

 

荒山峠の手前にある磯部神社では藤が満開。こんなにボリュームのある藤を見るのは初めて。1枚の写真には収まりきらない大迫力。紫は古来高貴な色だとされてきたのも納得できる。

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もともと高いケイデンス(ペダル回転数)でクルクル回して自転車をこぐよりも、重いギアで踏んでいくほうが比較的得意。でも最近、脚力の回復には時間がかかるが心肺能力の回復には時間がかからないので、強くゆっくり踏むよりも軽く踏んで高回転で走るほうがトライアスロンでは有利、と聞いたばかり。強くゆっくり踏む私のようなタイプが山道を得意な訳がなく。

 

しかし正直死にました、荒山峠。最初に名前で気づけよ、オレ。まさに荒山。詳しくは以下に張り付けた動画を1分ほど見ていただければ。一番軽いギアにしてもまっすぐ登れない、という初めての体験。仕方がないので交通量が少ないことをいいことに蛇行して登る。だって直登できないんだもん、冗談抜きで。2度目の休憩では、登ってくるクルマにハイエースいたら後ろにバイクとともに載せてもらえないか、と思って眺めてしまう始末。そもそも誰から頼まれたわけでもなく、勝手に自分の思い付きで始めたアホなライドなので、自分でケツ拭く以外ないとは分かっていたのだが。死ぬ気で登ってオールアウト直前でへとへとになって休憩した後にまだどれぐらい登りが残っているのか分からないというのは精神的にかなり厳しい。通過していったクルマのエンジン音からするとかなり登りが残っていそうで、もう一度漕ぎ出すのに精神力を要した。 この時点ですでに4時。宿には4時チェックインと伝えてあったので電話して「あと1時間半ぐらいかかりそうです」とかなり弱気、というかコンサバ目の報告。

見よこのエレベーションのグラフ。そそり立ってるわ。標高400m。

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久しぶりに自分の精神力と真っ向勝負。仕事もそうだが、「金もらえなかったら/何か物質的な見返りがなければやらない」というのではなく、「自分でやると決めたからには言い訳せずに絶対やり遂げる」という折れない気持ちを養うために誰から頼まれたわけでもなく走ったり泳いだりしているわけで。でもちょっと今回はドM過ぎたかも。

 

気持ちで登り切った後の下りは超爽快だった。最高時速60㎞弱を記録。下り始めてから一度も登りがなく、ペダルを踏まないままあっという間に平地まで。そこから和倉温泉まではゾンビのように自転車を漕いでまいりました。

 

一人でも泊まれる宿を朝ネットで調べ、美湾荘にお世話になることに。ちゃんとした温泉旅館の入り口に自転車で乗り付けて「どこに止めればいいですか」って聞くのは結構恥ずかしいぜ。

 

初めての和倉温泉は、源泉が苦塩っぱい濃い味でさすがの名湯。いつもの460円銭湯も悪くはないが、やはり1200年の歴史を誇る温泉だけのことはある。結構規模の大きい温泉旅館の食事処で一人食事をとるのは私だけかと思っていたら、他に二人ぐらい同じような人がいた。料理は可もなく不可もなく。食後にマッサージしてもらいたかったが時間が合わず、明日もまたキビシイ展開になっても困るので早めに床に向かうも、運動しすぎたせいでよく眠れず朝も5時から目覚めてしまった。