自転車操業一筋42年

世の中の「意識高い系」トライアスリートについていけない泳ぎがヘタで意志が弱いサラリーマン、永遠の42歳後厄、が初フルマラソン完走後3年でアイアンマン70.3のフィニッシャーに。フルマラソンサブ4達成後の次の目標はOD3時間切りです。

皇居ランに飽きたら:上級者篇 20㎞コース 県境越えて川崎の掛け流し温泉へ

先日Facebookのタイムラインに「本当にあるのか⁉"皇居ランでの出会いの実態"に迫る!」という東京カレンダーの記事が出てきて、読んでみるとバリキャリ女子が仕事のストレス解消皇居ラン中に「もう1周いかない?」と男子二人に声を掛けられ、2周は無理です、と答えると「この後飲みに行きませんか?」と誘われる、という妄想っぽい記事、ないわーないない、そもそもランニング後シャワー浴びずに飲みに行くわけないし、女子がシャンプーして髪の毛乾かして化粧直すの待ってたら日が暮れるわ、と毒づいていると、ふと自分が記事が想定している読者層から完全にかけ離れた妻子持ちのアラフィフオサーンであることを改めて思い起こして恥ずかしくなった今日この頃ですが、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。

tokyo-calendar.jp

そんな軟派なランナーとは縁のない皇居ランに飽きたハードコアなあなたに、皇居4周と同じ距離、川崎駅の先まで20㎞を走り、掛け流しの温泉に入るというオススメコースを今回はご紹介。 


東京駅近辺から日比谷通りを南下。日比谷ミッドタウンが完成に近づいているのを見る。三信ビルの床が木造でオイルワックスの匂いがしていたのが懐かしい。芝公園の闇の中にオレンジ色に輝き屹立する東京タワーを改めて見上げてみるのも楽しい。その先の首都高の高架の左側、浜松町にかけてのエリアが明治時代には東京最大のスラム街の一つだったことなど想像もつかないだろう。

まっすぐ行くと田町。第一京浜にぶつかる。そのまま箱根駅伝のルートを走る。できれば三菱自動車本社の方に渡ったほうが走りやすい。札の辻の交差点は結構危険なので歩道橋を使うことを強く推奨。品川駅近辺は人が多いので車道を走るが客待ちのタクシーを越えていかなければならないのでここも事故注意。

第一京浜をまっすぐ行ってもいいが、札の辻越えたところで左に曲がり、高さ1.5m制限のあるJRガード下を通って品川駅港南口に抜けるのもなかなかオツなもの。「こんなところあるって知ってた?」とバリキャリ女子に自慢したら「いや、出張行くときタクシーの運転手にこっちの抜け道使うよういつも指示するから知ってた」などと返す刀でぶった切られそう。

そして無事品川駅を越えると八ツ山交差点で斜め左側に見える京急の踏切の方向、北品川へ。そうすると旧東海道。ここは商店街になっていて車も少なく走りやすい。品川宿なので風情のある建物がたくさんある。北品川辺りの飲食店の多さはどういうことだろう。夜物凄い人出があるわけではないのに、飲み屋の数の多さはびっくりする。ずっと走ると泪橋を越えて鈴ヶ森刑場跡がある。夜来るとなかなかの迫力、ここだけで10-20万人が処刑(それも火炙りとか磔とか水責めとか)されたと思うと足早に通り過ぎざるをえない。そして再び第一京浜

大森警察署前で羽田に下る産業道路との分岐をまた川崎方面へ。ここからずっとまっすぐに第一京浜を走るので単調。国道わきにオレンジ色の街灯がまっすぐ続いていて、六郷橋に近づくと坂になって登っていくのが遠目にもわかり、あそこまで頑張ろう、あれを越えると東京都とはおさらばだ、と思うと力が出る。

六郷橋の上から見る多摩川は真っ暗。闇に吸い込まれそう。東京都と神奈川県の境を越え六郷橋南詰から右手に折れると旧東海道に戻る(オーケーストア方面)。府中街道を越えると今度はネオンがまばゆい。ランニング後汗を流すのは470円の公衆浴場だが、まばゆいネオンの先、堀之内にはその50-100倍ぐらい払わないと入れない浴場がたくさんある。

そのまま旧東海道を走ってもいいが、南町付近でちょっと南下したりすると 修羅の街川崎を体感できるゾーン(白い高級車の後ろのビルに注目)があったりしてなかなかしびれる。
旧東海道沿いに川崎警察署があり、そのすぐ南で大規模火災があったのは記憶に新しい。その手前に「孤独のグルメ」で有名になった焼肉ジンギスカンつるやがある。
八丁畷の駅にぶつかり、そこを左に折れて再び第一京浜に出て、そこから数百メートル行ったところにあるのが目的地の平安湯。

ここはただの銭湯ではなく実は掛け流しの温泉。といっても掛け流しなのは水風呂で、温かいお風呂は温泉だが循環。だがランニングの後で火照った体を塩分の強い掛け流しの水温泉でアイシングするというのはなかなか良い。そしてまた風呂に浸かれば毛細血管の働きもよくなってLSDに近い効果があるような気がする。普通は400円ぐらいの追加料金を取られるサウナが追加料金なしで使えるというのもポイント高い。

壁にはなぜか定番の富士山ではなく、池の中で魚が蓮の間を泳ぐ、と言う不思議な絵が描かれている。水彩画タッチで珍しい。
シャンプー、ボディーソープの類は備え付けがないので、タオルと一緒に持参がお勧め。

平安湯は八丁畷駅と鶴見市場駅(しじょう、ではなくいちば)のちょうど中間にあるが、鶴見市場から鶴見の方に行くとさらに修羅の街を味わえる。Google Mapのストリートビューだけでもかなりお腹いっぱいになるのでこちらをご覧あれ。


だが今回は大人の肝試しをやっている場合ではなく、八丁畷そばの「つるや」に戻り、孤独のグルメ巡礼決行。

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ランニング帰りのジャージ姿でふらっと店に入って一人焼肉、で全く問題ない。ハイボール頼むと「これ3倍濃いですから」と言われ、サービスのつもりかもしれないがランニング後、入浴後の体には正直Too Much。タン塩、ジンギスカン、カルビとキムチを食べてハイボール一杯だけ飲んで4千円ちょっと。電車で東京駅まで帰ってくるのも30分ちょっと。なかなかの非日常感が味わえる20㎞コース、強くお勧めします。

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