自転車操業一筋42年

世の中の「意識高い系」トライアスリートについていけない泳ぎがヘタで意志が弱いサラリーマン、永遠の42歳後厄、が初フルマラソン完走後3年でアイアンマン70.3のフィニッシャーに。フルマラソンサブ4達成後の次の目標はOD3時間切りです。

高水山トレイルラン本番:惨敗しました

最近練馬区桜台に東京とは思えない塩分の強さと錆色をした天然温泉が楽しめる銭湯を発見してしまい、ほぼ毎週末460円握りしめて訪問し、温泉で長湯した後に露天風呂の外で冷たい空気にあたりながら疲れた腰や足をがっつりストレッチ、お日様の下でずっとおっさんたちの裸を見たくもないけど見ているとまるで猿の惑星に来たようだわい、と思っていたけれど、全裸で変な格好でずっとストレッチしている私がどう考えても一番お猿のもんきちっぽいのではないか、とようやく気が付いた今日この頃ですが、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。お勧めします久松湯。東京にありがちな効くのか効かないのか今一つよくわからない黒湯ではなく、まるで有馬温泉のよう。

今日は高水山トレイルラン30㎞本番。公称は30㎞だが、実際は22、3㎞の距離を青梅の駅から少し離れた公園内のスタート地点から標高700m強の山の上にあるお寺まで走って行って折り返してくるレース。ひーこら言いながらアップダウンをこなし、なんとか寺の手前までやってくると、そこからの2㎞で一気に標高400m登り、また一気に降っていくとさっきへっぴり腰になりながら降りてきたとてもきつい斜面を改めて登らされる、という偉大かつ無常なる位置エネルギーの無駄遣い。大体普通に走るのの2倍ぐらいの時間がかかると思っていたので、4時間ほどでゴールできればいいかな、と甘く見積もっていたら岩倉具視石原さとみを間違えるぐらいの大間違い。

前置きが長くなったが、結果から言うと惨敗。というかむしろ大惨敗。タイムは4時間40分。マラソンとトライアスロンを始めてまだ5年ほどしか経験がないが、その経験の中でも最もカラダにそしてメンタルに厳しいレースの一つだった。

登りはぼちぼちよかったけれど、慣れないトレイルランで普段ロードではあまり使わない両脚のふくらはぎと右足の大腿四頭筋がつってしまい、両脚つったまま山を登り降りして合計10㎞以上進むってどんな罰ゲームよ、という地獄の特訓2時間40分状態。膝の上の筋肉で踏ん張ることができないため下りでタイムを稼ぐことがままならず、カットオフタイムの10分前になんとかゴール。そして途中でエスケープできるルートはあまりなく、リタイアしたランナーを回収してくれるバスなどは山の中なので全くなし。つまり、どんなに辛くてもギブアップしようがなかったということだ。

一緒に来たトレランバカは3時間5分程度でフィニッシュ、他の2人は3時間半と3時間50分でゴール。もう一人は最初の関門を通過できずに10㎞でゲームオーバー。結局私がゴールするまで結構な時間みんなを待たせてしまった。

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事前に試走しに来た時も脚がつってしまって辛かったので、本番前日は栄養価の高い食事をたくさん食べ、栄養が脚の筋肉にしっかり流れていくよう下半身を念入りにストレッチ。当日も家で普通に朝食を摂った後、青梅に向かう電車の中でおにぎり3個食べて塩分とエネルギー補給。フラスコにはMag-on3袋を入れて、つりそうになる前に飲めるように準備。
けれど、Mag-onが効くのは汗で電解質が大きく失われた場合で、今回のようにもろに筋肉を酷使して乳酸が溜まり過ぎて足がつってしまう場合はあまり役に立たなかった。どちらかというと乳酸を分解するクエン酸を摂取した方がよかったかもしれない。

標高715m地点の常福院不動堂で下の写真を撮ったのは正午。2時間で折り返しまで来ていたのに、帰りは下りが多いのに2時間40分かかっているというのはなかなか厳しい。

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お寺の近くには積雪が残り、冷たい雨の降っていた昨日がレース本番だったらゆっくり走っていると確実に低体温症になっていた気がする。スタート地点は暖かく、水もぬるんでミミズが眠りから目覚めて這い出してきていたのだが、直径が1㎝ぐらいありそうな大物がたくさんいて驚かされた。

今回はっきりわかったのは、トレイルランはマラソンの延長線上にあるスポーツではない、ということだ。マラソンをどんなに快調に走れたとしても、トレイルランを快調に走れるとは限らない。ハードな登り下りのあるマラソン大会というのはあまりないけれど、今回の高水山トレイルランの獲得標高は1484mだ。トレイルが狭いので登りは渋滞し走れず歩いて登ることが多いが、ランニングで使う筋肉とは別の筋肉を酷使する。
直近マラソンで調子いいからと言って勢い余ってトレラン走ろうというのは相当無理がある、というかPlease come here the day before yesterday、おとといきやがれという感じ。

トレイルランでは登りは渋滞するのも含めてなかなかタイム差が生まれにくく、速い人は下りを木の根や岩に脚を取られることなく高速ピッチ走法で忍者のように駆け抜ける。聞くと、4歩先を見ながら走っていて、3歩先ぐらいまではどこに着地するか頭にインプットしてあって、足元見ずに走るらしい。1歩ずつえっちらおっちら降りていく私とは次元が違い過ぎる。
登りも下りも小さめのストライドで脚の筋肉ではなく心肺に負担をかけて走る、というのはトライアスロンのバイクやランに通じるものがある、と思った。

ともあれ、辛い状況の中でも泣き言を言わず、リタイヤしようとも思わず、最後まで走り切った自分はエライ、と自画自賛。だらだら走っていると辛いのがなかなか終わらないので、むしろサクッと走り切ってしまった方が楽なのだが、今回ばかりは脚が動かず辛い時間帯が長く続いた。修行足りなさすぎ。

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ゴール10mぐらい手前でのショット。


レース終了後、駅の近くで何か食べるか、ということで友人たちと悩みつつ、たまたま入った居酒屋の渋いこと。見よこの佇まい、私が愛する昭和の居酒屋。赤提灯がまたいい。銀嶺、というお店。お母さんが一人で切り盛りしていた。

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わたしがフィニッシュするのが遅かったせいでみんなを空腹のまま待たせてしまい、3時過ぎからの遅い昼食。5人でキリンの大瓶を飲みながらお店にあるほぼ全種類のおでんと焼鳥を平らげ、おしんこも何度もお代わりし、いわしを焼いてもらったり澤乃井飲んだりして楽しく酔っ払った。
何を頼んでもおいしいし、おかみさんも優しくてすごくいい店で感心して、ウェブで調べてみると実は青梅で最も歴史あり、かつ東京の居酒屋としても相当有名な、吉田類の居酒屋放浪記にも出たことある名店であることが判明。恐れ入りました。

奥の座敷はまるでおばあちゃんの家に遊びに行った時のようなタイムスリップ感。腹をすかせた運動帰りのおっさん5人でたらふく飲み食いしてお勘定は2万1千円。信じられない。 

f:id:KodomoGinko:20170402220938j:image銀嶺にはまた来たいが、あの苦行をもう一度やりたいかと聞かれるとなかなかすぐにうん、とは言い難い。まあ来年のレースの心配をするより、とりあえず4月16日の石垣島トライアスロンまで体調を整えるのが先決かもしれない。

www.bs-tbs.co.jp

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