自転車操業一筋42年

世の中の「意識高い系」トライアスリートについていけない泳ぎがヘタで意志が弱いサラリーマン、永遠の42歳後厄、が初フルマラソン完走後3年でアイアンマン70.3のフィニッシャーに。フルマラソンサブ4達成後の次の目標はOD3時間切りです。

トライアスロンとマラソンはどっちが危険か

縁起でもないけれど。

トライアスロンとマラソンを比較して、どっちが死亡率が高いかちょっと考えてみてください。ちなみに我が家ではトライアスロンの練習しに海に行く、とかいうと結構イヤな顔されます。まあ確かに最初に出たレースで亡くなられた方がいたから仕方のないことかもしれないが。

 

 

答え:死亡率はほぼ変わらない。

 

マラソンでは、およそ67000人から76000人に1人が死亡する。

トライアスロンでは、およそ76000人に1人が死亡。

 

これらのデータはアメリカのトライアスロン協会が発表した統計に基づくので、ウソだと思うあなたはこちらを読んでください。2012年10月25日付の「USA Triathlon Fatality Incidents Study」、からの引用です。

 

私はトライアスロン人気の上昇とともに初心者の参加が増大し、その結果死亡率が上昇しているのでは、と思っていたのだが、それは事実ではないらしい。

 

2006年: 92000人に1人死亡

2007年: 57000人に1人死亡

2008年: 45000人に1人死亡

2009年: 159000人に1人死亡

2010年: 173000人に1人死亡

2011年: 54000人に1人死亡

 

2006-2011年平均: 76000人に1人死亡

2003年から2011年までの累積死亡者数: 45人

 

簡単に調査結果の要約を以下に記す。

1. 死亡率は年によって変動するが、直近増加トレンドにはない。死亡率が最も低かったのは2009年と2010年。ただし死亡者の絶対数は参加率の上昇とともに増加。

トライアスロンが急激に人気を得るにつれ(2003年から2010年の間にUSA Triathlonの年間登録者は3倍以上になった)、死亡事故はおそらく増える方向にある。

2. 死亡率は以下の要因には関係ないと考えられる:

  a. レースの距離

  b. スイムの行われる場所(ただしプールでは死亡事故はなし)

  c. スイムのスタート方法(一斉スタート、ウェーブもしくはタイムトライアル)

3.犠牲者のトライアスロン歴はまちまちで、初心者のトライアスリートの死亡事故が多いとは言えない

4. スイム中の死亡事故と以下の要因とは明確な因果関係は認められない:泳ぐ能力、典型的な溺水、パニック、ウェットスーツに起因する要因、ウォームアップ不足、メディカルチェック不足、通常起こりにくい医学的問題(発作、水泳による肺水腫、肺塞栓、外傷)

 

日本でもこのようなデータの検証が行われることを望みます。悲惨な事故を起こさないために。