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自転車操業一筋42年

世の中の「意識高い系」トライアスリートについていけない泳ぎがヘタで意志が弱いサラリーマン、永遠の42歳後厄、が初フルマラソン完走後3年でアイアンマン70.3のフィニッシャーに。フルマラソンサブ4達成後の次の目標はOD3時間切りです。

2016トライアスロンin徳之島を完走したでござるの巻

トライアスロン: レース参戦記

レース前日は朝7時起き。8時から、すなわち本番と同じ時間にスイム会場で試泳。空は真っ青、真夏の暑さ。

潮が満ちてリーフの高さを超えて外海から潮が入ってくるととても流れがきつくなる。本番は満潮の2時間ほど前で比較的泳ぎやすいらしいと聞いたが、金曜日は泳いでいて息が切れるぐらい。土曜日はまだ比較的まし。

プールよりも透明度が高い、と言われてもそうかもしれないと思うぐらいの海。サンゴが群生しているところにはウミヘビや色とりどりの魚がたくさん。シュノーケリングしているかのよう。これならコースロープを横目に見ながら泳げる、と思って安心する。いつもまっすぐ泳げずにタイムロスしているから。

試泳後、せっかくだし観光がてらバイクで戦艦大和沈没慰霊碑までポタリング的に行ってみよう、ということで気軽に出かけたのだが、大誤算。
まず、日射しがきつい。そして風が強い。大したことない登りで汗だくになる。そしてアップダウンが本当に多く、下りで勢いをつけておかないと登り切れない坂がたくさん。全然ポタリングではなく、途中でサプリメント飲んじゃいましたよ。脚つらないために。
本番がこんなコンディションだったら完走できるか相当不安になる。でもランコースをバイクで走って、こんなきれいなところを走れるのかと思ってうれしくなった。左右はサトウキビ畑で、空は真っ青、目の前に海が広がる一本道。うっとりする。ハワイかよ。

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そして夕方闘牛を見に行き、徳之島の文化に触れた。スペインの闘牛のように牛を殺したりはしない。1トンを超えるような大きな牛、地元の牛と大阪や那覇から来たアウェイの牛が闘う。

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勢子が掛け声をかけ、足を踏み鳴らして牛をけしかける。そして子供たちが進軍ラッパみたいなのを吹きながら応援。角を突き合わせて勝負して、背中を見せて逃げた牛が負け。血生臭さは全くない。勝つと牛の背中に中学生ぐらいの男の子が乗って、ガッツポーズしながらラッパに合わせて踊る。周りには沢山の同い年ぐらいの子供が。こうやって牛を若いころから面倒見てみんな大人になるんだなあ、と妙に感心する。

空港の近くのきりしま、というところで美味しい夕食をいただき、炭水化物をたくさん摂って翌日に備える。外に出たら月のない晩で近くに電灯もなく、本当の真っ暗闇でびっくりする。ホテルに歩いて帰るのが無理、と思うぐらいの深い闇。東京だと決してできない経験。

そして本番を前にして興奮していたせいか、目が冴えて寝られなくて困る。10時に電気を消して5時起床に備えたのだが、全然眠れない。普段ならウイスキーでも飲むところだが、眠れずに酒の量ばかり増えても危険なのでじっとベッドで体を休めることに集中する。かつて天草のトライアスロンに出た時も眠れずに本番を迎え、暑さと睡眠不足で熱中症になってバイクでひやりとしたり、ランで足がもつれて転んだことを思い出してさらに不安が加速。羊を数えてうとうとしているうちに5時になってしまって驚く。金曜、土曜と真っ青に晴れていた空が灰色に淀んでいるので朝になったことに気づかなかったのだ。

そして食欲もない。どうしたことか。無理やりお米を食べ、みそ汁を飲んで塩分補給。そのうち大粒の雨が降り出した。いろんな意味で予期していないことばかり起こる大波乱の展開。

ホテルはスイムスタートの会場のすぐ近くなので、ゆっくりとスタート50分前に部屋を出た。超大粒の雨が打ち付けるなか、ウエットスーツを着て出かける。ランシューズやバイクシューズなどが濡れるとモチベーション下がるので、しっかりビニール袋の中に入れる。でも準備をしているうちになんだかリラックスしていた。

気温は27度ぐらい。雨は止み、8時になってスタート。最近スタート前のカウントダウンないので拍子抜けしながら。心臓に悪いから、って知らなかった。トライアスロンで心臓バクバクになるのに、カウントダウンが心臓に悪いから止めるって、ちょっと笑える。そしていつも通りバトルに巻き込まれないために後方から2㎞スイムのスタート。

1㎞南下して折り返す、という分かりやすいコース。そして曇っていても透明度の高い海。金曜日と違って潮が強くなく、キャッチしてプルするとなんだか物凄く進む。泳ぎが上手になった気がする。ということは帰りは潮の流れに逆らうのでしんどくなるのか、じゃあ体力セーブするか、と思ったが、アドレナリン出ているのでもりもり頑張ってしまう。いつも以上に調子がいい。最初はそこそこ深いところを泳ぐものの、途中脚がつくぐらいの水深になり、休憩がてら歩いて折り返しのブイを確認できた。コースロープを見ながら泳げるので、ロスタイムも少ない。メンタルに非常に優しいので頑張れた分もあるかもしれない。

本人的にはあっという間に折り返し点に到着。帰りは潮がきついか、と思ったら全然そんなことはなく、またもりもり進む。どうしたんだ俺。もっとスイムが苦手だと思っていたのだが。とても気持ちよく泳げ、44分でゴール。別に自慢できるほどのタイムではないけれど、昨年のセントレア70.3の1.9㎞は46分強、初トライアスロンの2013年石垣では1.5㎞を50分以上かかっていたことを考えると圧倒的な進化。これぐらいのタイムだったら残り2競技も死ぬ気で頑張る気が湧くというもの。

トランジションで脚攣らないためにしっかりMag-on 補給してCCDドリンクを飲み、砂を払ってソックス履いてバイク開始。海岸から町道までは結構な登りで、やはりスイムで頑張ったせいか必死でペダリングしないと前に進まない。

風は前日と逆の北からの風で、最初から向かい風となる。森の中を走り抜けていく。最近ペダルは大殿筋で踏むものだ、と読んだが、バイクも自己流の私は大腿四頭筋に頼ってしまう。途中15㎞地点あたりで「えーマジここ登るの?」というきついアップヒルが。しかし徳之島、島の中でもあまり人が住んでいなさそうなところを走っているにもかかわらずなぜかそんなところでも応援してくださる方がたくさん。それも大きな声で「頑張ってー」と言ってくれたり、ラッパ吹いてくれたり、太鼓たたいてくれたり。いや、マイ太鼓持っている時点ですごい。普通持ってないし。「ありがとう頑張るよー」「頑張っちゃうよー」などと返事しながらバイクで走る。

スピードが乗る下り坂で全力で回してその後の坂を勢いつけて登り、徐々にギアを軽くして最後はインナーの軽いギアで登り切る、みたいなところが連続する。クルマでいうとシフトアップして6速全開まで行ってからシフトダウンして1速まで落として、さらにまた全開、の繰り返しみたいな。その間隔がかなり短い。私は登りにからきし弱いタイプなので、勢いで登り切らないと全然前に進まなくなる。そして島を半周したぐらいでまた大粒の雨が降ってくる。顔に塗った日焼け止めが目に入ってきて、ただでさえ雨がサングラスについて視界が悪いのに痛くて目を開けていられない。

島の南半分は雨が降っていて、北上するにつれて晴れてくる。53㎞を超えたところの坂がもう半端ない。登れない。降りてバイク押している人もいる。時速10㎞を下回るスピードで堪えながらペダルを踏む。それもまっすぐ登れないのでジグザグに。結構な人数に抜かれて凹む。この時点で平均時速は25㎞を下回る。そこから挽回するものの、結局75㎞走るのに3時間20分弱かかってしまった。

バイクに乗っている間は結構順調に補給ができて、梅丹のこってりミネラル2run やフラスコに入れたMag-On をしっかりとれた。ランスタートしたらやはり膝の上の筋肉がぴくぴくし始めて、脚つるかと思ったものの補給が上手くいったことと気温の低さに助けられてゆっくりながらも無事走り始めた。バイクで北上してきたコースを今度はランで南下する。

ここでも沿道からの応援が背中を押してくれる。おばあちゃんたちが「わざわざ遠くから来てくれてありがとうねー」とか「徳之島盛り上げてくれてありがとうー」とか。エイドに入るとちびっ子たちが駆け寄ってきて、みんな手にスポンジもって渡そうとしてくれて。ちょっとでもトライアスリートの役に立とう、と思ってすごい一生懸命な姿を見て感動する。真夏の日差しはないとはいえ、エイドで飲むコーラの旨さは格別。

登り坂はあきらめて歩き、それ以外は走っていたら少しずつ調子が出てきた。昨日写真を撮った、サトウキビ畑を切り裂くように走る海を見下ろす一本道はずっと下りなので、気持ちよく駆け抜けられた。でもその後は消耗してきて歩く回数も増える。それでも気力で走り切り、ランの21㎞は2時間20分強。結局6時間半かからずにゴール。

多分昨年のセントレア70.3と同様、人生で最も体力的にきついイベントの一つだったのだが、気持ちよく終わることができた。曇りだったことにも助けられた。夏空が広がっていたら完走できた自信はない。

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徳之島、大好きになりました。本当に信じられないくらいのホスピタリティ。また来なきゃ、と思う。そして来年はレース後のどんちゃんパーティーにも参加して、月曜日の小学生との交流会にも出たい。その前に晴れた時でも完走できる自信を持てるぐらい精進しなければ。

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